皆さんは「エゾシカ」と聞いて何をイメージしますか?
奈良公園の鹿と同じでしょ?
そう思った貴方、ちょっと待ってください!!
しかし、彼らには身体的な違いがたくさんあるんです。
そしてエゾシカならではの魅力がたくさんあるんです!
ここで突然ですがクイズです!
それぞれエゾシカ、ホンシュウジカどちらでしょう?


正解はAがホンシュウジカ、Bはエゾシカでした!
そう、実は彼らには身体的な違いがあるんです!
エゾシカの特徴
彼らの身体的特徴のなかでも身体の大きさの違いはとても顕著に出ています。
「ベルクマンの法則」で知られているように寒い地域にすむ動物は厳しい寒さに耐えるために身体が大きくなります。身体、そして角の大きさからトナカイに間違えられることもしばしば…





身体が大きい分、おしりも大きいです 魅力的ですね♡
実はエゾシカのおしり、普段はここまでモフモフしていません!
彼らは警戒時におしりを膨らませることで仲間に危険を知らせています。
ちなみに上の写真は柵の向こうにある公園内にポメラニアンを見つけて警戒していますw
そしてオス特有の角の形!
ホンシュウジカよりも太く枝分かれの多い角をつけることが多いです。しかし角に関しては個体、とくにそれぞれの年齢ごとに様相が異なるので角だけでエゾシカか否かを見分けるのは困難かもしれません。


ちなみに、この白い「枯角」になるのは秋から冬にかけてのみ🍁⛄️
そのほかの時期には袋角といって皮を被った状態になっています。飼育員さん曰く袋角は少しブニブニしているんだとか……!
エゾシカたちの“衣替え”の魅力


そして、エゾシカのオスは季節によって性格が変わります!角が完成している状態では気性が荒くなる一方で角が落ちた後はオドオドしています。
エゾシカは北海道の四季に合わせてその姿を大きく変えます。
春には角を落としたばかりのオスの姿、夏にはディズニー映画の「バンビ」を想起させるような美しい斑点模様、秋には角が完成したオスの勇ましい姿、そして冬にはもふもふになった可愛らしい姿を見ることができます。
ちなみに私のお気に入りは冬!!
白い雪に映えるワイルドなこげ茶色の毛皮が最高です!!


エゾシカたちの直面する未来・・
こんなにも魅力いっぱいのエゾシカですが彼らを取り巻く現状は悲しいものです。
エゾシカは現在、その生息数を爆発的に増加させており害獣駆除の対象となっています。
増えすぎたエゾシカは農業被害を生じさせ、森の草木を食べつくし「エゾシカが自身の暮らす森を自分で破壊している」という状況になっています。
駆除数は156,863頭(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/136745.html)、悲しいことに駆除を行ってもなお頭数は増加し続けています。そして、その多くは有効利用されず、産業廃棄物として焼却処分されています。
彼らが増加した理由にはエゾオオカミの絶滅や地球温暖化など人為的なものが多くあるのです。
北海道開拓時、毛皮、肉、角が開拓資金になると狩りつくされ絶滅寸前まで追い込まれた彼らは紆余曲折を経て現在駆除されています。ある意味、彼らは人間に振り回される被害者なのかもしれません。
エゾシカの話題にはいつも悲しい話がつきものになっているように思います。
だからこそ今日は、1人のエゾシカ好きとして彼らの魅力について語らせていただきました。
魅力いっぱいの彼らのために何ができるか、そしてこれ以上エゾシカのような被害者を出さないために私たちに何ができるのか考えなければならないと感じています。
私の“推し”たち
余談にはなりますがクローンのように見えるエゾシカにも個性があります。
私がよく会いに行く旭山動物園の「のぞみ」という個体はお腹が減ると甲高い声で鳴き始めます。餌への執着が物凄く「気がきつい」と言われることも、、、
でも一生懸命に餌を探す姿は本当にかわいいのです。
「のぞみ」は耳に個体識別ようの黄色いタグが付ています。現在、旭山動物園には4頭のエゾシカが暮らしていますが、タグをつけているのはこの個体だけなのですぐに見つけられると思います。皆さんも旭山動物園に行く機会があれば是非探してみてください!




また、本州でも上野動物園にオスのエゾシカが飼育されています!
高齢個体のため展示は不定期ですが、ぜひ会いに行って見てください!!
お名前は「キュー」です!他の個体よりも心做しか優しい顔立ちをしています☺️





最後までお読み頂きありがとうございました🦌









