
前編はこちら


自然の中で出会う世界の動物たち ズーラシアの魅力


見逃せない植物たち ― もうひとつの主役
ズーラシアは「動物園」でもあり、「植物園」でもあります。園内には四季折々の草花や樹木が植えられており、ただ歩いているだけでも森林浴のような心地よさがあります。
園路にはその植物の名前や解説もあり、自然や生態系への理解を深める学びの場でもあります。






子どもから大人まで楽しめる充実施設
ズーラシアには遊具や体験型の展示、動物にちなんだレストランやカフェも充実。親子連れはもちろん、大人だけの散策にもぴったりです。


解説看板も見逃せない!
ズーラシアでは、各展示施設のそばに解説看板が設置されています。
ネットでよく見かける一般的な説明ではなく、飼育員さんならではの視点で書かれた内容が多く、思わず「へぇ〜!」と声が出るような興味深い情報ばかりです。動物をじっくり観察したあとに、その動物についてもっと知りたくなったら、ぜひ看板にも目を向けてみてください。きっと新しい発見があります。










出会った動物たち②
テングザル
テングザルは、この時は少し奥の方でご飯を食べていました。
独特の大きな鼻と、のんびりとした仕草が印象的で、じっと見ているとなんとも言えない愛嬌を感じます。少し距離はありましたが、ゆっくりと食事を楽しむ様子を観察できて、ちょっと得した気分でした。


モウコノウマ
モウコノウマは、丸みのあるフォルムがとてもかわいらしくて、見ているだけで癒やされます。
この時は、のんびりとご飯を食べているところでした。展示場はとても広々としていて、開放感のある空間でゆったりと過ごす様子が印象的でした。




ツシマヤマネコ


ツシマヤマネコは、現在とても希少な存在で、日本では特に貴重な野生動物のひとつです。
見た目はまるでちょっと野性的な“ねこ”のようで、この日はお部屋の中でぐっすりお昼寝中でした。
その姿にひかれて、お子さんをはじめ多くの来園者が足を止めてじっくり眺めていました。
「寝てるだけなのに可愛い!」という声もちらほら。やっぱりネコ科の魅力は強いですね。
ニホンアナグマ
ニホンアナグマの展示は、ズーラシアの環境展示のすばらしさを特に実感できる場所でした。
その名の通り、穴を掘ってミミズや虫を食べる習性のある動物で、この日もずっと地面を掘ったり、歩き回ったりと活発に行動していました。
まるで野生のアナグマを自然の中で観察しているかのような気持ちになり、そのリアルな姿にしばらく目を奪われました。



写真ではなかなか伝わりにくいのですが、実際に見ると動きが本当にかわいくて、思わず見入ってしまいます。




ホンドタヌキ
ホンドタヌキは夜行性のため、この時はぐっすりと熟睡中でした。
展示場の片隅で静かに丸くなって眠る姿からは、安心して過ごせている様子が伝わってきて、見ているこちらもほっとした気持ちになります。
また、体の毛の色が落ち葉とよくなじんでいて、環境展示の工夫が随所に感じられる展示でもありました。
自然に近い空間で、タヌキ本来の姿を観察できる貴重なひとときでした。


ニホンツキノワグマ
ニホンツキノワグマの展示では、まずそのしぐさのひとつひとつがとても可愛らしく、つい見入ってしまいます。
のっそり歩いたり、木にもたれたりする様子は、力強さの中にどこか親しみやすさを感じさせてくれました。
そして何より印象的だったのが、展示環境の迫力と美しさです。施設内にはなんと本物の滝が流れていて、そのスケールの大きさに驚かされました。
さらに、ツキノワグマが檻ではなく、環境展示で飼育されているのも非常に珍しいのではないでしょうか。




オオアリクイ
オオアリクイはとても元気に動き回っていて、その姿に思わず見とれてしまいました。
「こんなに大きかったっけ?」と思うほどの迫力で、存在感は抜群です。特に目を引いたのが、大きくてふさふさした尾。歩くたびにゆっさゆっさと揺れていて、その姿もまた印象的でした。間近で見ると、写真では伝わりにくい迫力と魅力がたっぷりです。


ウーリーモンキー
ウーリーモンキーは、その名の通り羊毛のようにもこもこした毛並みが特徴で、サルというよりぬいぐるみのようなかわいさがあります。
ふわふわの見た目に反して、樹上をすばやく移動する身軽さも魅力です。注目してほしいのが尻尾。裏側には毛が生えておらず、枝をしっかりつかむための工夫がされています。
ぱっと見では気づきにくいですが、よく観察するとそのつくりの面白さに驚かされます。


オカピ
ズーラシアのシンボル的な存在といえば、やはりオカピです。この日も屋外と屋内、両方でじっくり観察することができました。屋外展示では、意外にもまわりの環境に自然に溶け込んでいる姿が印象的で、改めてその保護色の効果を実感。
一方、屋内では角の形や縞模様の細かい部分まで間近に観察することができ、オカピという動物の不思議な魅力に引き込まれました。




アカカワイノシシ
アカカワイノシシは今回が初めての対面でしたが、赤みがかった体毛と耳の長い毛がとても印象的で、どこか神々しささえ感じました。
「イノシシ=荒々しい」というイメージを持っていましたが、近くの解説ポスターには“ブラッシングが好きで甘えん坊”という意外な一面が紹介されていて驚きました。見た目のインパクトと性格のギャップに、思わず惹きこまれてしまう動物です。


チンパンジー
展示施設が凄い




チンパンジーたちは、特に広々とした展示施設でのびのびと暮らしている様子が印象的でした。
観覧スペースの近くには、それぞれの個体の性格や特徴が書かれたポスターが掲示されていて、実物と照らし合わせながら見ていくのがとても楽しいです。中でも「ケンジくん」は人間に興味があるようで、いちばん近くまで来て枝を見せてくれたり、まるでこちらに話しかけてくるような仕草をしてくれました。その知性と個性の豊かさに、改めて驚かされました。






アビシニアコロブス
アビシニアコロブスを見た瞬間、思わず「なんだこのおさるさんは…!」と声が出てしまいました。
白と黒のコントラストが美しい毛色や、長く流れるような体毛はまるで装飾をまとっているかのようで、とても優雅な印象です。
この日はリラックスしていたようで、ゴロゴロとくつろいだ姿を見せてくれました。その独特な見た目と、ゆったりとした動きのギャップも魅力的でした。










ミナミジサイチョウ
ナミジサイチョウを初めて見たときは、その鋭い目つきとインパクトのあるカラーリングに思わず「うわ、怖っ…」と感じてしまいました。黒を基調とした体に、顔のまわりの鮮やかな青や赤の色合いがとても印象的で、野生の迫力をそのまま感じられます。見た目のインパクトに加えて、寿命はなんと50年以上とも言われているそうです。


ヒガシクロサイ
ヒガシクロサイは、最初はまるで岩と一体化しているかのようにじっとしていて、しばらく気づかないほど見事に擬態していました。ちょうど立ち上がった瞬間には撮影が間に合いませんでしたが、その巨体がゆっくり動き出す様子は、さすがの迫力。
写真では伝わらない重みと存在感に、思わず息をのんでしまいました。




チーター
チーターはこの日、あまり人間を気にする様子もなく、観覧スペースのすぐ近くでリラックスして寝ていました。
その細身の体としなやかな姿は、静かにしていてもどこか緊張感があって、まさに野生の美しさを感じさせてくれます。
近くで見ると、その顔立ちの精悍さや毛並みの美しさにも改めて驚かされました。




ミーアキャット
ミーアキャットはこの日も群れで活発にコミュニケーションをとっていて、見ていてとてもにぎやかでした。鳴き声を交わしたり、じゃれ合ったり、見張り役が立って周囲を警戒していたりと、それぞれの役割がしっかり分かれている様子がうかがえます。






ライオン
ライオンをこんなに近くで観察できるとは思わず、正直びっくりしました。
こちらがドキドキしているのとは対照的に、とても大人しく、むしろ観客のほうをじっと観察しているような仕草も見られました。大きな欠伸をしてのんびりと過ごしている姿からは、落ち着いた環境でリラックスしている様に見えました。






ケープハイラックス
ケープハイラックスは、とにかくかわいいの一言に尽きます。まるで笑っているような表情がたまらなく愛らしくて、ずっと見ていたくなる魅力があります。
ちょこんと座っている姿も、もぐもぐごはんを食べる姿も、どこを切り取っても癒しそのもの。
あまり知られていない動物かもしれませんが、見つけたらぜひじっくり観察してみてください。


キリン
キリンは屋内展示場で観察しましたが、ちょうどキリンと同じくらいの高さの目線から見られる構造になっていて、とても新鮮な体験でした。その優雅な姿を間近で見られるだけでなく、長い首を支える頚椎の模型も展示されていて、観察と学びが両立できる施設だと感じました。
キリンの体のしくみをより深く知ることで、ますます興味が湧いてきます。


お土産も充実
お土産ショップには、本物に忠実でとてもかわいいぬいぐるみがたくさん並んでいました。
動物ごとの特徴がしっかり再現されていて、見ているだけでも楽しくなります。お気に入りの動物を見つけたら、そのまま連れて帰りたくなってしまうかもしれません。思い出と一緒に、ぜひお土産もどうぞ。










「動物福祉」と「癒し」を高いレベルで両立した場所
ズーラシアは単なる観光施設ではなく、動物福祉の理念に基づいた展示、そして来園者に自然とのつながりを感じてもらう場所として、とても貴重な存在だと感じました。
動物を見に行くというより、自然の一部を訪れる感覚で、ぜひ訪れてみてください。
今回ご紹介したのはほんの一部で、まだまだ紹介しきれていない動物や施設もたくさんあります。
どのエリアも見ごたえがあり、ゆっくり回れば一日があっという間に過ぎてしまうほどの充実ぶりでした。
そして驚くべきはその料金設定。これだけの内容で、大人の入園料はなんと800円。
学生さんなら半額以下で入場できるという、公共施設ならではの良心的な価格です。
動物好きな方はもちろん、散策や自然を楽しみたい方にもぜひおすすめしたいスポットです。



休憩中や施設工事で紹介しきれていない動物もたくさんいました。すぐにでもリピートしたい動物園です!