名前だけでも憶えて帰ってください。クビワペッカリーです!

クビワペッカリー
英名

Collared peccary

学名

Pecari tajacu (Tayassu tajacu)

分類

哺乳類/偶蹄目/ペッカリー科

分布

北アメリカ南部〜南アメリカ

食性

昆虫・トカゲ・果実・種子・植物

寿命

20年程度(飼育下では30年以上の例も)

体重

15〜30kg

体長

75〜100cm


うーぺー

最初に見たときはイノシシやブタの亜種かと思い、特に気に留めていませんでした。ですが今ではまったく違う印象を持っています。私の印象はどちらかというと犬に近く、群れで仲良く過ごしていたり、人に興味を持って寄ってきてくれる、たいへん愛嬌のある動物です。初めて見たときとのギャップが大きく、今では大好きな種のひとつになりました。

イノシシに似てる?でも実は“別の動物”

クビワペッカリーは、ぱっと見はイノシシの仲間に見えますが、実は全く別の「ペッカリー科」の動物です。体つきはイノシシよりひとまわり小さく、毛色は黒っぽいのが特徴。首から肩にかけて白〜黄褐色の“首輪模様”があることから、この名前で呼ばれています。

後ろ足の指は3本、背中には強いにおいを発する臭腺があり、日本では「ヘソイノシシ」というユニークな和名もつけられています。ペッカリー類は全部で3種類いますが、クビワペッカリーはその中で最も小柄な種類です。

その他:クチジロペッカリー(Tayassu pecari)、チャコペッカリー(Catagonus wagneri)


群れで暮らす社会性の高い動物

クビワペッカリーは10〜50頭の群れをつくり、仲間と密接に関わりながら生活します。視力や聴覚はあまり良くありませんが、その分嗅覚がとても発達しており、背中の臭腺を互いにこすりつけてにおいを共有し、仲間の識別や結束を保っています。

外見はずんぐりしていて脚も短めですが、実はかなりの俊足で時速40キロ前後で走れるとされています。森林、渓谷、砂漠、サバンナなど、平地から標高3,000m近い地域まで幅広い環境に適応して暮らしているタフな動物です。


クビワペッカリーの繁殖

決まった繁殖期はなく、1年を通して繁殖が見られます。群れでは優位な雄が複数の雌と交配する一夫多妻型。妊娠期間は約138〜148日で、通常1〜2頭(多いと5頭)を出産します。

生まれた子どもは500gほどと小柄ですが、数時間で歩けるようになり、数日もすれば母親と一緒に動き回るほど成長が早いのも特徴です。

野生での寿命は7〜10年程度とされますが、飼育下では24〜30年ほど生きた記録もあります。


クビワペッカリーに会える日本の動物園

  • 大宮公園小動物園
  • 恩賜上野動物園
  • 神戸どうぶつ王国
  • 伊豆シャボテン公園
  • ごかつら池どうぶつパーク
  • ネオパークオキナワ

ごかつら池どうぶつパークで見たクビワペッカリー

ごかつら池どうぶつパークでは4頭のクビワペッカリーが生活しています。ここではヌタ場や斜面など、自然に近い展示が工夫されていて、彼らの行動をじっくり観察できるのが魅力です。

毛づくろいやにおい付け、仲間のあとをついて歩く姿など、野生で見られる行動がそのまま見られる展示になっており、訪れるたびに違う表情や動きを楽しめます。

「イノシシ?ぶた?」と間違われがちなクビワペッカリーですが、最近はそのくりっとした目やコンパクトな体が「意外とかわいい!」と人気がじわじわ高まってきているように感じます。

YouTube

YouTubeではクビワペッカリーの展示場や、ごかつら池どうぶつパーク全体のガイドを見ることができます。是非ご覧ください。


さいごに

特徴的なにおいの習性、仲間と寄り添って生きる社会性、意外な俊敏さ…。クビワペッカリーは知れば知るほど魅力のつまった動物です。

この記事を通して、少しでも興味をもっていただけたら、ぜひ一度ごかつら池どうぶつパークで彼らの愛らしい姿を観察してみてください。生き生きと動く姿を見ると、きっとますます好きになるはずです。

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この記事を書いた人

うーぺーのアバター うーぺー 動物看護学生

地方在住の学生です。もともとはトリマーを目指して専門学校に入りましたが、動物看護の世界を知って心惹かれ、同じ学校の動物看護コースに入りなおしました。勉強はちょっと苦手ですが、大好きな動物たちのために、愛玩動物看護師の資格取得を目指してがんばっています。