毎回ご好評いただいている僕のマニアックすぎる記事…(笑)
これから毎月、「動物ガチ勢の“ガチ勢の為の”動物図鑑」シリーズとして定期的に投稿していこうと思います。取り上げる動物たちは毎回1種。動物好きでも知らないような情報を発信出来たらと思います!
栄えある第一回は…シマウマ!!!1月31日はシマウマの日であることをご存じでしょうか?
さらに今年は午年!これ以上ピッタリな種はいないですね!
前置きはこの辺にしておいて…
さあ、知られざるシマウマたちの奥深い世界へ..!!!
“シマウマ”って?

奇蹄目ウマ科ウマ属に分類されるシマウマはアフリカ大陸に広く分布する草食動物です。主に地面に生える草を大量に食べ、このような食性の種をグレイザーと呼びます。(反対に木の葉などを選んで食べる動物はブラウザーと呼ばれます)
“シマウマ”と呼ばれる動物は、グレビーシマウマ、サバンナシマウマ、ヤマシマウマの3種に分類されます。
Ryusei3種(9亜種)の見分け方までわかればプロフェッショナル!


グレビーシマウマ(学名:Equus grevyi)は他の2種と違い、独自にグレビーシマウマ亜属を構成します。見た目にもかなり違いがあるのがわかると思います。細くてきま細かい縞模様と真っ白な腹部、ウサギのように大きな耳、また体重400㎏程度とかなり大型であることも特徴です。
サバンナや半砂漠などに生息するため、乾燥に対し耐性があり、数日間水を飲まなくても生き延びる事も出来ます。
元フランス大統領のグレビーに由来する名前を持つ彼らはケニア北部やエチオピアなど一部の地域にのみ生息しており、3種の中では最も絶滅に近い種類となっています。
西洋人が一番最初に発見したシマウマとして、古代ローマでもサーカスなどで利用されていたとされる本種ですが、地球上から姿を消すとしたら一番早いのも本種という皮肉な事態になっています…


日本国内で“シマウマ”というと最もポピュラーなのは、このサバンナシマウマ(学名:Equus quagga)ではないでしょうか?太くて黒い縞模様、他2種に比べると少し小柄な耳、つぶらな瞳…筆者はこのつぶらでキラッキラの瞳とプルプルの唇が大好きで…もう…可愛くて!!(唐突)
実際、日本で最も多く飼育されている種でもあり、動物園でシマウマに会うと大体本種であることが多いです。野生においても最も広い地域に生息する種で、東アフリカ・南アフリカに6亜種が生息しています。
- グラントシマウマ(学名:Equus quagga boehmi) タンザニアやケニアなどに生息 最もポピュラーな種
- セルーシマウマ(学名:Equus quagga borensis) ウガンダ北部キデポバレー国立公園などに生息
- チャップマンシマウマ(学名:Equus quagga chapmani) 南アフリカなどに生息
- クロウシェイズシマウマ(学名:Equus quagga crawshayi) ジンバブエやボツワナなどに生息
- バーチェルサバンナシマウマ(学名:Equus quagga burchellii) ナミビア北部やボツワナの一部などに生息
- クアッガ(学名:Equus quagga quagga) 絶滅
サバンナシマウマとしては低懸念種に分類されていますが、セルーシマウマやバーチェルサバンナシマウマなどはかなり生息地も限定的であり、絶滅が心配されています。
日本国内ではチャップマンシマウマ(群馬サファリパークなど)とグラントシマウマ(よこはま動物園ズーラシアなど)の2種に会う事が出来ます。



黒いシマシマの間にシャドウストライプ(影縞)と呼ばれる薄いシマシマがあればチャップマンシマウマ、何もなければグラントシマウマ(もしくは亜種間雑種)と判別できます!


ズーラシアといえばの「アフリカのサバンナ」混合展示場。ここには♂♀合わせて4頭のグラントシマウマがくらしています(雌雄別展示)。
なんといってもここの特徴はキリン・エランド・そしてチーターとの4種混合展示です。世界的にも珍しい肉食動物と草食動物の混合展示であり、野生に近い暮らしぶりを見る事が出来ます!
チーターに追いかけられ、時に追いかけ…気性が荒くて(臆病で)家畜化できないとされるシマウマの見たことない一面も見る事が出来ます。


ヤマシマウマ(学名:Equus zebra)はサバンナシマウマと一緒にシマウマ亜属を形成し、見た目もサバンナシマウマとよく似ています。ケープヤマシマウマ(学名:Equus zebra zebra)とハートマンヤマシマウマ(学名:Equus zebra hartmannae)の2亜種が確認されており、日本国内では日立市かみね動物園、川崎市夢見ヶ崎動物園、福山市立動物園の3園でハートマンヤマシマウマに会う事が出来ます。


耳が縦に長いこと、そして奇蹄目の中では珍しく喉元に肉垂(エランドの喉元のヒラヒラをイメージしてもらえれば)があるのが特徴です。
サバンナシマウマと体格はほぼ同じか少しヤマシマウマの方が小さいですが、山間部に生息するため他種に比べ強靭な心臓を持っています。体重の約1%(平均3キログラム程度)にも及ぶ大きな心臓は山間部の薄い酸素や高低差の激しい地域での活動を助けています。ほかにも硬く細い蹄を持っており、斜面に適した形態を持っています。
ここをみて!ここを感じて!みんなが知らないシマウマの魅力


シマウマといえば、やっぱり特徴的なのはこの縞模様!
近年注目されているのはこの縞模様の多能性(いろいろな役割を持つこと)です。2019年にBBCニュースに記載された記事には以下の役割が注目されている説として記載されています。
- 捕食者のかく乱
- 暑熱対策
- 害虫対策





シマシマが…いっぱい…正確に何頭いるか数えられますか?
最も一般的な説がこの「捕食者かく乱説」ですね。
シマシマ模様の動物がいっぱい集まって動くと個体としての輪郭を見極めにくく、ターゲットを絞れなくなる、つまりか弱い子供や弱った個体が群れに溶け込んで襲われにくくなるというわけですね。単純にシマシマがいっぱい集まって動いているとなかなかの迫力ですし襲いにくいというのも…
実際にシマ模様には見たものを混乱させるという研究もあるのですが、これは人間を対象としたものであり、ライオンなどの捕食者にも通用するのかわからないという反論も出ています…


一方でシマシマ模様による「暑熱対策説」、どんなものかというと…
黒は熱や光を吸収しやすい、白は光や熱を反射しやすいというのは皆さんわかると思います。
猛暑で日射量が十分な時、これらの色が交互に並んでいるとその温度差によって循環する気流が発生し、汗の蒸発を促進するクーラーになるというのです。実際に、シマシマ模様を描いた樽の方が何もしていないものよりも早く冷却されるということは実験で分かっています。この説だと、赤道直下の暑さの厳しい地域に生息するシマウマは縞模様が濃く、南に行くほど白の面積が多くなるというのも納得できます。
しかし、シマウマの暮らす自然の中では風も吹き、シマウマも動く…循環する気流よりも強い気流がほぼいつも発生しているため、シマシマで受けられる冷却効果はほぼ意味をなさないのではという反論もありなかなか決定打にはなっていない状況です。


最後の「防虫対策説」、最近ニュースでも話題になりましたよね!
牛に縞模様を書いてみたら虫が寄り付かなくなった…なんてニュースが数年前に出ましたね。
Yahoo!news→「和牛にシマウマ模様で虫よけ効果 日本人連続のイグ・ノーベル賞」共同通信(2025)https://news.yahoo.co.jp/articles/5eb587f8b0ffe21e10f68cf4a3ed8c8b2502ca16
どうやら虫たちにはシマシマ模様のせいで距離感がつかめなくなる効果があるそうで、うまく着陸できずに突っ込んでしまったり、ホバリングし続けてしまうそうです。この虫忌避効果は多くの実験で効果を実証されており、現在最有力な説となっています。このシマ模様の謎を数十年研究し続けているカリフォルニア大学のティム博士もこの説を推しており、腹部にまでシマシマ模様があるか否かでは様々な病気を媒介しうるツェツェバエの分布と有意な相関があるとしています。
結論としては、もう少しでシマ模様の謎が解明できそう!ということしかわかりませんが、虫よけ以外にも様々な効果を果たしていることは確かです。一部の保護区では縞模様をスーパーのバーコードの応用で個体識別に利用していたり…シマウマの子供が親を判別するなど社会性を構築する一助になっていることも確かでしょう…



個人的には、シマ模様のおかげで彼らの魅力も底上げされて保全を進めているのではと思っています!!
どの理由にしても、シマ模様のおかげで彼らは生き延び、魅力にあふれる生き物として現代の私たちに自然の奥深さや魅力を伝え続けてくれているのです。
まとめ


いかがだったでしょうか?
奥深いシマウマたちの世界、シマ模様の謎、少しでも彼らの魅力が伝わってくれればと思います!
彼らもまた、3種のうち2種が絶滅危惧種であり、サバンナシマウマも数亜種において個体数が少なくなっています。
「彼らの為にできること」って何でしょうか…?
保護団体に寄付をする、動物園に行って正しい知識を身に着ける、写真を撮って魅力を多くの人に伝える、スマホで調べるだけでも彼らの為になるかもしれません!!
ぜひ、動物たちの為になにができるか、考えてみてもらいたいと思います!
- Ito H, Langenhorst T, Ogden R, Inoue-Murayama M. Population genetic diversity and hybrid detection in captivezebras. Scientific Reports 5:13171, 2015. doi: 10.1038/srep13171.
- Prothero , Donald R.,& Schoch , Robert M. (2002) .Horns , tusks , and flippers : The evolutions of hooted mammals. Johns Hopkins University Press
- 川崎市HP 「ハートマンヤマシマウマ」 https://www.city.kawasaki.jp/530/page/0000021651.html
- BBC Yao-Hua Law .(2019). The truth behind why zebras have stripes
- Pereszlényi, Á., Száz, D., Jánosi, I.M. et al. A new argument against cooling by convective air eddies formed above sunlit zebra stripes. Sci Rep 11, 15797 (2021). https://doi.org/10.1038/s41598-021-95105-4
- Horváth, G., Pereszlényi, Á., Száz, D. et al. Experimental evidence that stripes do not cool zebras. Sci Rep 8, 9351 (2018). https://doi.org/10.1038/s41598-018-27637-1
- Caro, T., Izzo, A., Reiner, R. et al. The function of zebra stripes. Nat Commun 5, 3535 (2014). https://doi.org/10.1038/ncomms4535









