はじめに

こんにちは!マレーシア在住のTokiです!
今回は、海外遠征にも役に立つサイト、Zootierlisteを紹介します。


Zootierlisteとは?
Zootierlisteは、2009年にドイツの動物園好きの有志により設立された飼育動物・飼育施設のデータベースです。主に、どの施設でどの種類が飼育されているかを調べるために活用できます。
設立以降、ヨーロッパ全土、北米と対象地域を拡大していき、2024年に日本を含む世界中の施設までカバーするように範囲を広げました。サイトは英語とドイツ語のみですが、機能がシンプルなため英語がよくわからなくても十分活用できますよ。
なお、サイト内では登録されている施設を”Zoo”と表記しています。これには動物園、水族館、動物保護施設、水槽展示施設、観光牧場、アニマルカフェなど、動物がいて一般公開されている施設すべてを含んでいます。この投稿中では、便宜上翻訳せずにZooと表記しています。
主な機能:
- <Search> どの動物がどのZooで飼育されているか検索できる
- <Zoo radius search>地名を入力すると、近隣のZooが表示される
- <Expert Search> Zooごとに分類やCITESレベルで飼育動物の検索ができる
この投稿では、これらの機能の使い方や、注意点を解説してきます。



私は会員として主にマレーシアと日本の情報を更新していますので、更新したい内容などがあればご連絡いただければ代行可能です。
利用上の注意点
Zootierlisteは世界中にいる動物園・水族館のファンや関係者により日々情報が更新されています。
最新の情報は、主に下記方法で追加されています:
- 投稿者が実際にZooを訪問して確認
- 投稿者がZooにメールなどで飼育状況を確認
- Zooの公式ホームページや公式SNSでの情報で確認
- Zooの公式発表資料で確認
これにより、一定の情報の精度を保っています。しかしながら、中にはこのような情報が少なからず混在しています:
- 誤った種が登録されている
- 誤ったZooに登録されている
- 古い情報を元に登録されている
これらの誤った情報が発生する主な理由はこのような理由が考えられます:
- 飼育しているZooで動物と種名板が一致していない
- 例:現在はヒクイドリを飼育しているのに種名板は過去に飼育していたパプアヒクイドリと記載
- 種を登録する際に、誤って英語表記が似ているZooに登録している
- 例:札幌市の円山動物園と埼玉県上尾市の上尾丸山公園小動物園はいずれも英語表記に”Maruyama”を含む
- 公式サイトやSNSが現在は飼育していない種を記載している
- 例:数年前に亡くなった個体が現在も公式サイトの動物一覧に表示中
- 不確実な情報を元に登録されている
- 例:公式以外のSNS、動物に詳しくない知人の訪問時の証言
また、使用している人は少ないとは思いますが、セキュリティの都合上、端末のVPN機能がオンになっているとサイトにアクセスできなくなる場合があるようです。
<Search> 利用方法① 種から飼育しているZooを検索
1.“Search”と書いてある検索バーに動物の学名を入力し、隣の🔍アイコンを選択



英名でも検索可能ですが、表記ゆれが多いため、学名での検索をおすすめします。なお、家畜や愛玩動物の品種を検索する場合は品種名で検索してください。


2.候補となる種や亜種がリストアップされるので、確認したい種・亜種を選択


- 亜種が複数登録されている場合、亜種ごとに項目が分かれています
- 亜種が細分化されている種だと、検索が一苦労です
- 種によっては“亜種不明”の項目があります
- “No subspecific status”または”No subspecies status”と表記されています
- この種は飼育されているが、亜種が不明な個体、または亜種間交雑個体が該当します
- 種によっては“種不明”の項目があります
- “No species or subspecies status”または”No species status”と表記されています
- 近年に種が分岐し、最新の分類で種が不明な個体が該当します
- Zoo側で種が明確にされていない個体も該当します
- 明かな種間交雑個体は登録されていません
- レオポン(ヒョウとライオンの交雑個体)やライガー(トラとライオンの交雑個体)等が該当します
- 家畜や愛玩動物の品種(ネコのベンガル品種等)の場合は登録されている可能性があります
- 飼育情報の登録のため、訪問しても展示されているとは限りません
- バックヤードで飼育されている個体や特定のイベント等でのみ会える個体も含んでいます



特定の亜種を検索したい場合は、亜種名を直接検索しましょう!


3.現在飼育されている施設を見たい場合は”Current Holdings”を選択し、過去に飼育していた施設を見たい場合は”Former Holdings”を選択


4.“Asia”等の地域名の横の”+”を選択すると該当地域のZoo一覧が表示されます


5.飼育施設が多い場合、国名を選択すると該当国のZoo一覧が表示されます


6.Zooの名前を選択すると、飼育情報が表示されます


- <Basisinformationen> 実際のページでは項目名非表示。1番上の項目。
- 飼育個体数、性別、飼育期間、繁殖情報等の情報が記載
- 性別はオス、メス、不明の順で記載。例:(1,1,0)なら雌雄各1個体、(0,1)ならメス1個体
- <Sonstige Informationen>実際のページでは項目名非表示。上から2番目の項目。
- 動物の由来が記載
- 例:保護個体、○○Zooから移送等
- <Quellen/Nachweis>
- 情報源が記載(例:訪問日や情報源のURL等)
- 例:”Visit 6/2025 (seen, signed)”の場合は”2025年に訪問して目視で確認し、種名板あり”の意味



該当項目の情報がない場合、項目自体が表示されません。


<Search> 利用方法➁ Zooから飼育している種を検索
1.“Search”と書いてある検索バーに動物のZooの名前を入力し、隣の🔍アイコンを選択


特にわかりにくいと感じた例をまとめてみました。()の有無やスペルの違いでも検索結果には表示されません。
日本語表記 | 英語の正式名称 | (執筆時点) | Zootierlisteでの登録名
のんほいパーク(豊橋総合動植物公園) | Non Hoi Park | Toyohashi (Zoo) |
台北市立動物園 | Taipei Zoo | Taipei (Zoo) |
成田ゆめ牧場 | Narita Yume Farm | Narita (Dream Farm) |
日本モンキーセンター | Japan Monkey Centre | Inuyama (Japan Monkey Center) |



検索結果が表示されない場合、市町村の名前でも検索してみましょう!私もモンキーセンター検索時は”Inuyama”で検索しています。
2.候補となるZooや飼育種がリストアップされます


- Zooの名前を選択すると位置が表示されます


- Zooの名前の下にCurrent Holdings(現在の飼育種)と過去の飼育種(Former Holdings)が表示されます


- 種の項目を選択すると種の詳細や他の飼育Zooが表示されます


<Zoo radius search> 利用方法 地名から近隣のZooを検索
1.Home画面の左側のメニューから”Zoo radius search“を選択


2.”My Location”の検索バーに地名を入力
3.特定の種を探したい場合は、”Species (English)”の検索バー英語で種名を入力



英名は検索精度が低いので、この項目は空白推奨です
4.”Circle (km)”の検索バーに地名の中心地から検索範囲(キロ)を半角数字で入力し、”Search”を選択


5.該当する動物園の一覧が表示されます





私は主に土地勘のない地域への遠征の際に、ついでに立ち寄れそうな場所を探すのに活用しています
<Expert Search> 利用方法 条件を指定して検索
1.画面上部の”Expert Search”を選択


2.下記検索項目を設定。空白でも検索可能。
表示 | 項目 | 記入事項 | 記入例 |
Zoo | Zooの名前 | Zooの名前を記入 | Ueno Zoo |
Species | 種名 | 種名を英語で記入 | Giant Panda |
Scientific Name | 学名 | 学名を記入 | Bubo bubo |
Family | 科 | 科の分類を選択 | Civets |
Order | 目 | 目の分類を選択 | Birds of Prey (Birds) |
Class | 綱 | 綱の分類を選択 | Reptiles |
Habitat | 生息地 | 生息地を英語で記入 | Mountain |
Distribution | 分布 | 分布を英語で記入 | Japan |
IUCN-Level | IUCNレベル | IUCNレベルを選択 | EN (Endangered) |
Firstbreed | 第一世代の繁殖個体 | 空白推奨 | 空白推奨 |


3.項目入力後、”Search”を選択すると対象項目の一覧が出ます





上手く使えば、“特定の動物園で飼育されている偶蹄類の一覧が欲しい!”などマニアックな要望に応えてくれます!
おわりに
いかがでしたでしょうか?
英語のデータベースですし、操作性は良いとは言えないので慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、上手く活用でいれば遠征の際等に大活躍すること間違いなしです!
かなり奥が深いデータベースですが、全ての機能を使用する必要ななく、自身が必要とする最低限の機能から少しずつでも活用してみましょう。
Zootierlisteを使ってみて、海外遠征に行ってみたいと感じた方は、「海外遠征入門」と題した記事も前後編で公開しているので、こちらも参考にしてください。



