【市原ぞうの国】ゾウだけじゃない!あの動物も近すぎる動物園

「ぞうの国」の魅力あふれる仲間たち

日本で一番ゾウに近い場所「市原ぞうの国」。その名の通りゾウが主役の動物園ですが、他にも魅力あふれる動物たちが暮らしています。今回はその中から会ってほしい動物たちをピックアップしました!

また、動物たちとふれあう際の“おすすめのおやつのあげ方”もご紹介します。ぜひ最後まで読んでいただき、動物たちへ会いに行ってみてください!

かずぺでぃあ

市原ぞうの国のゾウ達についてはこちら

動物へのおやつあげの極意

市原ぞうの国では「動物のおやつ」を販売しています。このおやつをゾウを含めた多くの動物たちにいつでもあげることができるのが、この動物園の醍醐味!ちなみに1個500円です。

では、ここでみなさんに質問です。

かずぺでぃあ

動物たちのおやつ、どう持ちますか?

大抵の方は、このように先端をつまんで持つと思います。これを本記事では「つまみ持ち」と呼ぶことにしましょう。このつまみ持ちならば手を汚すことなく、安全に動物へおやつをあげることができますよね。
しかし、この持ち方は全ての動物に適しているわけではありません!

ウマやラマといった口が大きな動物には「指を噛まれてしまう可能性」があります。では、どうすればいいのか?

手の平の上にのせましょう!これを本記事では「手の平のせ」と呼ぶことにします。

この持ち方ならば、動物たちが唇や舌を器用に使ってエサをとってくれます。手が汚れてしまいますが、指を噛まれることなく安全です。ウマやラマの唇の柔らかさや舌の感触も堪能できますので、ぜひ「手の平のせ」に挑戦してみましょう!

ゾウへおやつをあげる際にもこの「手の平のせ」がおすすめです。ゾウの鼻の使い方をより間近で観察できる他、鼻の感触を体感することもできます。個体によって鼻の使い方が違うのを楽しむのも醍醐味です。

以上のように、動物によっておすすめのあげ方があります。本記事ではこれらも併せて紹介するので、実践してみてください!

かずぺでぃあ

サユリワールドでも役立つので覚えておきましょう!

なお、差し出したおやつは”必ず”そして“素早く”渡してあげてください
動物がおやつを取る瞬間や食べている光景を写真におさめるのは良いのですが…

「おやつで動物を誘導したり、釣ったりして記念撮影」とかは言語道断。

マナーを守って、人と動物たちがお互いに気持ちのよい体験になるようにしましょうね。

ニュースで話題に!荒川で保護されたシカ「ケープ」

まずは、ゾウ以外で「市原ぞうの国」を一躍有名にした動物を紹介します。

みなさん、2020年に「荒川の河川敷でシカが捕獲された」というニュースがあったのを覚えているでしょうか?
その捕獲されたシカこそが、この市原ぞうの国で暮らすニホンジカ「ケープ」です。

ケープが捕獲された当時は、出所がわからない故にやみくもに自然へ返すわけにもいかず、かといって引き取り先も見つからない。さらには自治体への誹謗中傷が絶えないなどの問題もありました。そんな中、市原ぞうの国へ依頼をした際、小百合園長は引き取りを即断したとのこと。

そんな野生由来の「ケープ」のために、ストレスを低減できるように、隠れられる場所や多くの植栽が用意された専用の展示エリア「ケープの森」がクラウドファンディングでの支援によってつくられました
これにより「複雑に組まれた丸太」「天井のネット」「周りの植栽」などの工夫により、隠れられるスペースがあって、木漏れ日が差し込む、森のような空間を実現。
その甲斐あってか、多くの来園者からおやつを貰えるようになったり、繁殖に成功したりと、今ではすっかり動物園の環境になれています。
おすすめのおやつのあげ方は「手のひら乗せ」。ニホンジカの口先に触れる貴重な機会となるでしょう。

そんなニホンジカですが、「ケープ」のように保護される個体がいる一方で、増えすぎた故に駆除される個体の方が多いのが現状です。また、2024年には再び東京の住宅街でシカが目撃されました。そのため「ケープ」には「ふれあえるニホンジカ」だけでなく「ニホンジカの問題を伝えるメッセンジャー」としての活躍に期待したいですね!

すべての動物園動物は「動物の生態」や「環境問題」などを伝える「メッセンジャーの役割」を有しています。繁殖して絶滅から守るだけが動物園の役割ではないのです。

かずぺでぃあ

ケープのこれまでについてはこちら

他の動物園じゃありえない距離!近すぎる動物3選

市原ぞうの国では他の動物園ではあまり近づけない動物も間近で観察することができます!
続いては、そんな貴重な体験ができる動物3種をご紹介。

1.カバ

1種目の動物は「カバ」です。

ここに暮らすカバはオスの個体で名前を「ヒッポ」と言います。成熟したオスということもあり、その大きさには圧巻の一言。少々圧倒されてしまいますが、そんな彼にもおやつをあげることがでます。カバにエサやり体験ができる動物園は他にもありますが、そのほとんどは時間限定のイベント。それに対して、市原ぞうの国では好きな時にあげることができます。(※ただし、ヒッポの機嫌による。)

かずぺでぃあ

制限のない給餌体験ができる園って、けっこう貴重なんですよね。

ですが、カバにおやつをあげる方法は「つまみ持ち」でも「手のひら乗せ」でもありません。

開いた口へ直接投げ入れてあげましょう。(すんごいダイナミック)

え?どうせ投げても入らないですって?

安心してください!

ここまで近くに来てくれます!(なお筆者はそれでも入らない模様。)

彼におやつをあげる時は、起きているかどうかを確認し、優しく名前を呼んであげましょう。大声で叫ぶのはダメですよ。優しく声をかける感じで。そうすれば、彼はこっちに寄ってきて口を大きく開けてくれます。

なんて紳士的なんでしょう!(いつも外してごめんね。ヒッポ。)

野生のカバは「アフリカにおける獣害事件件数1位」のせいか「最強」だの「獰猛」だの言われてますが、動物園のカバは穏やかな個体が多いです。ましてやヒッポはその中でも紳士と言えるぐらいの穏やかさです。
彼に会えば、カバに対するイメージが180°変わることでしょう!(カバの口も180°開くしね。)

カバが現地でもっとも人間への被害を出しているのは「縄張り意識が強い」のと「外敵が多い」ためです。
縄張りに侵入した動物は排除する傾向にあり、観光用ボートもその対象となります。
しかし、そんなカバでもアフリカゾウには勝てません。また、動物園では縄張りを害する敵がいないので、温厚になる傾向があります。「最強」の名が独り歩きしてしまっているので、これを機にカバについて今一度目を向けてみてくださいね。

かずぺでぃあ

・・・まあ元気すぎる時もあるんですけどね!!(汗)

2.アメリカビーバー

2種目の動物は「アメリカビーバー」です。

北米の広い範囲に生息する「森のエンジニア」にもおやつをあげることができます。
ですが、ビーバーたちにおやつをあげる時は注意が必要です。

ご覧ください!この立派な前歯!!

この前歯で指を噛まれてしまっては大惨事です。
これは「齧歯目(ネズミの仲間)」すべてに言えることなのですが、彼らはウマやラマのように唇でつまむことはありません!。また、ビーバーは前足でおやつを掴んでくれるのですが、ご覧の通り爪も長いです。なので「手の平のせ」では手の平に前歯や爪が干渉してしまう可能性があります。ビーバーにおやつをあげる際はお互いの安全のためにも「つまみ持ち」で渡してあげましょう!コツとしては「受け取ってくれたらすぐに手を離すこと」。口や前足でおやつをとってもらったら素早く手を離しましょう。これなら、ビーバーがおやつを食べる姿を安全に見ることができます!

齧歯目の動物は前歯が一生伸び続けます。その中でもビーバーは、樹木を伐採できるほど頑丈な前歯をもっています。彼らが木を伐採することで、森の地表面に光が届いて新たな植物が芽生えます。また、ビーバーは伐採した木を使ってダムや巣をつくりますが、それによってできた大きな水源は多くの生き物の棲み処にもなります。
このように、動物たちの生息環境を創造・改変し、生態系に大きな影響を与える種を「生態系エンジニア」といいます。

専用の注意書きが用意されるほど…

おやつをあげる際は、もう“2つ”気をつけたいことがあります。
1つ目は「必ずニンジンをあげること」。
バナナは糖質が高いため、ビーバーの健康管理に悪影響が出る可能性があります。必ずニンジンを与えるようにしましょう。(それにリーチがないから危ないですしね。)

午前中は閑古鳥が鳴いています。

2つ目は「午後にビーバー舎へ赴くこと」。
ビーバーは夜行性のため、午前中は寝ていることが多いです。なので、ビーバーにおやつをあげたい人は午後に行くと良いでしょう。

特に15時前後に赴くのがおすすめです!
運がよければ、ビーバーたちの食事(本食)も見れますよ。

おやつをあげられた時や食事シーンに出会えた時は、「前足の器用さ」や「口の動き」、そして「咀嚼音」に注目して観察するのがポイント!
マジで癒されます。

かずぺでぃあ

これが真のASMRか…

3.インドタテガミヤマアラシ

3種目の動物は「インドタテガミヤマアラシ」です。

その名の通り、インドに生息する「ヤマアラシ」の一種です。アジアゾウと同郷の動物ですね。
敵と認識した相手には、背中の針を広げて威嚇します。その対象は人間にも及ぶので、大抵の動物園では壁やガラス、二重のフェンスなどを用いて来園者をヤマアラシへ近づけることはありません。

しかし、ここではそんなヤマアラシにもおやつをあげることができます。

それにより、非常に人慣れしているせいか…

なんと、金網一枚で隔てているのです

かずぺでぃあ

距離感がバグってます()

市原ぞうの国にはヤマアラシの展示場が複数あるのですが、この「MAZEOO」にある展示が一番ヤヴァイ。
なんと、ヤマアラシの頭上を歩けます
捕食者を撃退するほどの針を持つヤマアラシが、ここまで人間に慣れ、他の動物園よりも間近で観察できるのは、私の知る限りでは非常に貴重な事例です

さらに珍しいのは「アルビノ」の白変個体がいることです。その白い体色は通常の個体とはまた違った魅力を持っています。

動物が白色に変化するといえば、ホワイトタイガーやホワイトライオンが有名ですが、こちらは「リューシスティック(リューシズム)」と呼ばれるもので「アルビノ」とは異なります。どちらも「メラニン色素」をつくる細胞に関わる遺伝子が突然変異(遺伝子のコピーミス)した結果なのですが、リューシスティックは色素をつくる細胞が変化しているのに対し、アルビノは色素をつくる細胞が喪失しています
そのため、目を観察することで見分けることができます。
リューシスティックはメラニン色素をつくれるので目が黒いですが、アルビノはメラニン色素をつくれないので赤血球のヘモグロビンによって目が赤くなります。
白変個体に出会ったら、まずは目に注目して、どちらに当てはまるか探ってみましょう!

そんなヤマアラシ達に適したおやつのあげ方は「つまみ持ち」。ビーバーと同じ齧歯目なので、立派な前歯を持っています。お互いの安全のために、つまみ持ちでニンジンをあげましょうね。

まだまだいます!筆者おすすめの動物たち

さて、ここまで長々と語ってしまったので、ここからは更なるおすすめ動物をサクッとご紹介します!

実はレアです!国内で見られる場所が限られる動物たち

有名な動物たちが暮らす市原ぞうの国ですが…
実は国内での飼育園館が少ないレアな動物がいることはご存知ですか?

例えば、こちらの「ノドジロオマキザル」。「オマキザル」の1種で、中米から南米コロンビア北部にかけて生息しています。そんなノドジロオマキザルですが、JAZA加盟園に限れば「市原ぞうの国」と「大森山動物園」の2ヵ所でしか会うことができません!
ちなみに、おすすめのおやつのあげ方は「手の平のせ」。バナナを手の平にのせれば、金網から手を出して拾ってくれます。

この「ブラウンキツネザル」もレアな動物です。JAZA加盟園の内5カ所でしか会うことができません。
マダガスカルに生息する絶滅危惧種ですが「ワオキツネザル」の存在が大きいので知名度が高くないのが現状です。
こちらも、おすすめのおやつのあげ方は「手の平のせ」。プニプニの指先が触れた時の感触は忘れられませんよ。

レアな動物はサルだけではありません。こちらの「クロカンガルー」も該当します。
こちらもJAZA加盟園の内5カ所でしか会えません。大抵の動物園で飼育されているカンガルーは「アカカンガルー」か「オオカンガルー」がほとんどなので、初めて知ったという方もいらっしゃることでしょう。
おすすめのおやつのあげ方は「つまみ持ち」なんですが…

2025年6月現在、子育ての真っ最中!そのため、おやつに見向きもしない時があります。
無理にあげようとしないように気をつけましょう。

なお、「市原ぞうの国」には「フサオマキザル」、「サユリワールド」には「ワオキツネザル」と「オオカンガルー」といった感じで、それぞれの近縁種も飼育されています。余裕があったら、どんな違いがあるのか比較してみるのもいいでしょう。

千葉市動物公園の〇〇がお引っ越ししていた!

千葉市動物公園」にて隠れファンが多かったある動物が、市原ぞうの国に引っ越してきたことはご存知でしょうか?

それが、こちらの「ヒワコンゴウインコ」を含めた「コンゴウインコ」の仲間達です!
彼らは、千葉市動物公園の「子ども動物園」にて飼育されていましたが、リニューアルに伴う閉鎖を機に、市原ぞうの国へ引っ越してきました。
無論、千葉市動物公園大好きっ子な筆者はその事実をちゃーんと把握しておりました。

しかし、千葉市動物公園から引っ越してきたのはコンゴウインコだけではなかったのです!

コンゴウインコ達が使っていた止まり木(擬木)もお引っ越ししていました!!

かずぺでぃあ

流石にこれは気づかなんだ…

現在はフクロウの止まり木として活躍しています。
千葉市動物公園の子ども動物園が閉鎖された際…

この止まり木を処分しようにも費用がかかる!(意訳)

…ということで、市原ぞうの国が譲り受けて再利用しているというワケです。
引っ越した動物たちに再び会えるのも嬉しいことですが、動物園で使われていたものが別の動物園で再利用されているのを見ると、なんだか感慨深いものがありますね

かずぺでぃあ

なお、コンゴウインコやフクロウへおやつをあげることはできません。

市原ぞうの国を楽しんだら…

この他にも「イリエワニ」をはじめとした熱帯の動物が暮らす「MAZEOO」といった展示施設や…

「コンドル」や「インドクジャク」、「フラミンゴ」に「ホオジロカンムリヅル」など様々な鳥のコレクションなどなど、ゾウ以外の魅力も溢れています!
その全てを紹介しきれないのが心苦しいですが、前回の記事とあわせて「市原ぞうの国」をより楽しめるきっかけになれれば幸いです!

そして!市原ぞうの国を楽しんだら、あそこも楽しまなきゃ損です!

そう!サユリワールド!!

市原ぞうの国を堪能したら、サユリワールドにもいってらっしゃい!

かずぺでぃあ

サユリワールドの記事もお楽しみに!

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Coming soon…

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この記事を書いた人

かずぺでぃあのアバター かずぺでぃあ 元動物園スタッフ

動物と動物園が大好きすぎて、ゲームで夢の動物園を作ってる人です。
某動物園での臨時職員の経験や、YouTube活動で培った知識を活かして、動物園をより楽しめる情報や、動物をもっと好きになれる話題をお届けします!
ちなみに、推し動物は百獣の王「ライオン」です。