ありがとう、「わざにふれる」

はじめまして。二枚貝ホタテと申します。
動物園や水族館で生き物の写真を撮るのが好きな動物マニアです。
実は今、どうしても紹介したい水族館があります。
生きているミュージアム ニフレルです。

ニフレルはいくつかのゾーンに分かれていて、動物が展示されているのは以下の6つです。

いろにふれる、わざにふれる、およぎにふれる、かくれるにふれる、みずべにふれる、うごきにふれる

このうち2つ目の「わざにふれる」ゾーンが2026年1月12日に終了します。
なくなってしまうその前に、どんな場所だったのかを記録しておくことに意味がある…はず!


ニフレルってどんな場所?

「生きているミュージアム ニフレル」は大阪府吹田市にある水族館です。
大阪の水族館といえば、巨大な水槽でジンベエザメが泳ぐ海遊館でしょ!その株式会社海遊館が運営する水族館の1つがニフレル。ニフレルは海遊館が経営母体とは思えないほど雰囲気の違う水族館です。
大阪モノレールの万博記念公園駅を降り、太陽の塔を左に見ながら歩くとすぐに見えてくる白い建物、複合商業施設「EXPOCITY」にニフレルはあります。自分は車を持っていないので、公共交通機関を降りたらすぐに着くのはありがたいです。

それでは、まずはゾーンごとに動物の写真を見ていきましょう!


ニフレルの動物たち

ZONE01 いろにふれる

まずはカラフルでかわいらしい魚たちがお出迎えしてくれます。円柱型の水槽を照明が照らし、水面のゆらぎによって揺れる光が魚の美しさを引き立てます。

スポッテッドマンダリン
ミナミハコフグ

ZONE02 わざにふれる

今回の主役、もうそろそろ終わってしまうゾーンです。水族館では珍しい、床や壁が白くて明るい部屋です。
詳しくは後程ご紹介します。

フリソデエビ

ZONE03 およぎにふれる

わざにふれるゾーンとうってかわって、暗くてシックな雰囲気のエリアです。
スポットライトのような照明に照らされて、魚たちの影がゆらめく様子を見ることができます。

タコクラゲ

ZONE05 かくれるにふれる

コケにそっくりなコケガエル、岩みたいなオニダルマオコゼなど、かくれんぼに命を賭ける生き物のゾーンです。隠れている動物を探すのも、なんだかゲームみたいで水族館の楽しみの一つですよね。

エボシカメレオン

ZONE06 みずべにふれる

大型の動物たちのエリアです。
水族館なのにホワイトタイガーがいます。たまにバシャバシャ泳ぎます。
ここには「ピクニックカフェEATEATEAT」があり、コビトカバやイリエワニを見ながら食事を楽しめます。

ホワイトタイガー
ミニカバ(コビトカバ)

ZONE07 うごきにふれる

ペンギンやカピバラなど、哺乳類と鳥類のエリアです。
ワオキツネザルやインドクジャクは檻などで遮られておらず、運がよければ人のすぐそばまで来てくれます。

オニオオハシ
アメリカビーバー
ワオキツネザル

なお、ZONE4と8は映像を楽しむゾーンです。休憩にもピッタリ。


「わざにふれる」の魅力にふれる

それではいよいよわざにふれるゾーンを見ていきます。このゾーンの魅力を3つ選んでみました。

魚たちを色んな方向から見られる!

一般的に水族館の水槽は、壁に埋め込まれ、一つの方向からしか見られないことが多いですよね。死角になった場所に生き物がいて、見られないこともあります。もちろん、隠れたい魚からしたらその方がいいのかもしれませんが。
一方、わざにふれるゾーンの水槽は、あらゆる方向から見られる水槽が多数あります。横だけでなく上からも見られる水槽があったり、壁から手前に張り出すような水槽があったり、下から魚を見られる水槽もあります。どれも他の水族館ではなかなか見られない斬新な水槽たち。一つの方向でなく、様々な視点から生き物を見ることができます。

上から見られる水槽 ヨダレカケ

美しい瞳の魚たち

オキナワフグとクサビベラの瞳をご覧ください。オキナワフグの目はまるで宇宙から撮影した地球のような煌めく青、クサビベラの目は深い森のような緑に輝きます。まさに生きた宝石。

オキナワフグ
クサビベラ

わざにふれるは室内の水族館としてはかなり明るい部屋です。
動物を撮るのが好きな自分にとって、館内が明るいのはありがたい限りです。速い動物を撮影する時はシャッタースピード(SS)を上げないと被写体ブレが起きてしまいます。しかしSSを上げると暗い写真になってしまいます。つまり、明るい場所ならどんどんSSを上げて、速い動物もきれいに撮れるということ。オキナワフグやクサビベラといった魚は泳ぎが速いので、暗い水槽ではきれいに撮影できません。
撮影好きとしては嬉しいポイントですが、ガラスや砂に藻類が生えて掃除が大変そう…

テッポウウオの「必殺技」

創意工夫に溢れた水槽が並ぶわざにふれるゾーンで、一番面白い水槽は何か?それはテッポウウオの水槽でしょう!テッポウウオといえば、木についている虫に向かって口から水を噴射し、水面に落として捕まえる魚。

テッポウウオ

テッポウウオはマングローブの生える汽水域に生息しています。水族館ではテッポウウオの水槽にマングローブやその模型が一緒に展示され、生息環境が再現されていることもあります。
一方ニフレルではどうでしょう?マングローブの代わりに、水槽の上から白い棒がたくさんぶら下がっています。中には風鈴もあります。近未来の都市のジオラマのような、現代アートと言われても納得しそうなオシャレなデザイン。逆にいえば、自然の光景とはかけはなれた展示です。

テッポウウオ水槽
テッポウウオ
テッポウウオ

エサの時間になると、この棒や風鈴にエサを貼り付けます。白い棒なら貼り付けられたエサがどこにあるか分かりやすいのが嬉しいポイントです。風鈴に水鉄砲が当たるとかすかに音が鳴るのもユーモアがあっていいですね。
私がこの展示を見て思い浮かべたのが、動物園界に一大ブームを巻き起こした北海道旭川市の旭山動物園の代名詞「行動展示」です。行動展示とは、動物が自然界で行う特徴的な行動を、動物園で同じような動きができるよう工夫した展示です。動物の行動を見てもらう、動物の姿ではなく”行動”を展示するのです。
旭山動物園の行動展示の中でも初期の作品といえば、2001年にオープンしたおらんうーたん館の空中散歩です。高い塔を2つ建てて、その間にロープを張って渡れるようにしたものです。ロープの高さは17m。まるで東南アジアの熱帯雨林で高い木に登り移動するオランウータンの行動をそのまま北海道に持ってきたよう。塔そのものは木と似ているわけではありません。しかし高い木の上で悠々と暮らすオランウータンの生活を、費用を抑えつつ、客にとっても見やすい形で再現しています。

旭山動物園 オランウータン

生きた植物やそっくりな模型を配置して生息環境を忠実に再現する動物園・水族館は素晴らしいと思います。一方で、必要最低限のシンプルな設備で動物の行動を引き出す展示にも、行動そのものに注目できるという意味があると思います。
テッポウウオの水槽の上にエサを貼り付けて水鉄砲をさせるイベントは多くの水族館で行われています。しかしニフレルの棒や風鈴にエサを貼り付けるイベントは見やすさが格別。その理由の1つは、あえて生息環境を忠実に再現しないことでしょう。
水槽が壁に埋め込まれていないため様々な方向から見えること。部屋が明るいこと。そしてシンプルな棒と風鈴で水鉄砲を見せること。テッポウウオの秘技を観察するうえで、一番のよい条件が揃った水族館と言っても過言ではないでしょう。

そんなテッポウウオ愛に溢れるニフレルですが、2022年に快挙を成し遂げます。日本動物園水族館協会に加盟する水族館としては初となる、テッポウウオの繁殖に成功しました。濾過システムの清掃をしている時に、わずか1mmほどの卵を発見したんだとか。

テッポウウオの幼魚

わざからどくへ

とても面白いわざにふれるゾーンですが、2026年1月12日で終了します。そして 3月 18日からは「どくにふれる」という新しいゾーンに生まれ変わります。

毒。それは、一部の生物が進化の中で手に入れた、小さな生き物が大きな生き物に抗うことのできる、ロマン溢れる一発逆転の武器です。
あるものは弱い身体を敵から守るために毒を持ち、またあるものは獲物を確実に仕留めるために毒を使います。クサフグのように、母親が持つ毒を卵に引き継ぐことで我が子を守る魚もいます。
強い毒を持ち、隠れる必要すらないものは、あえて派手な姿や音によって自らを誇示します。俺は強い!俺を襲うと後悔するぞ!と警告しているかのよう。
美しく、それでいて不気味。余裕があるようにも必死なようにも見える。毒を持つ生物にはエキゾチックな魅力があります。

そして毒について知っておくことは人間が生きるためにも大切です。自然に出て遊ぶ時、ゴンズイやガンガゼのように危険な生き物を知っておくことは身を守るために重要です。また毒の研究は薬の開発に役立ちます。例えば鎮痛剤のジコノチドはヤキイモという巻貝が持つコノトキシンを模倣して開発されました。水族館で毒に魅せられた子供が、科学者になってすごい薬を生み出すかもしれません。毒に特化したコーナーが水族館にできることは、いつか人間にいい影響をもたらしてくれる、そんな気がします。

ゴンズイ

新ゾーン「どくにふれる」がどのような展示になるか分かりませんが、わざにふれるの良いところが受け継がれ、訪れた人に生き物の魅力を伝えてくれる部屋になってくれたら嬉しく思います。


参考文献

ニフレル イベント&ニュース
いよいよフィナーレ「わざにふれる」をお見逃しなく!SNSキャンペーンも開催中
https://www.nifrel.jp/eventnews/2025/12/sns.html

旭山動物園 施設紹介 おらんうーたん館
https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/facilityinformation/d055084.html

ニフレル イベント&ニュース
国内初繁殖!テッポウウオの赤ちゃんを展示開始!
https://www.nifrel.jp/eventnews/2022/09/post-159.html

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この記事を書いた人

生物が好き。ポケモンと謎解きゲームも好き。