はじめに

こんにちは!マレーシア在住のTokiです!
私は今まで、色々な動物園に海外遠征をしてきました。その記録や情報の共有として、アジア動物遠征記を少しづつ書いていきたいと思います。今回はシリーズの第1弾として、シンガポールへの遠征について書いていきます。
マーライオンでお馴染みのシンガポール。都市のイメージがあり、動物園とは無縁に感じる方もいらっしゃるのでへないでしょうか?しかし実はシンガポールは、非常に魅力的な動物園や水族館があり、動物園好きに是非訪れてほしい国です。その理由を解説していきますね!



私自身も、2025年8月にシンガポールに遠征してきました!その経験も踏まえて記事を書いていきます!




シンガポールとは?
まずは、シンガポールという国について簡単に紹介しましょう。
シンガポールは東南アジアに位置する小さな都市国家です。面積でいえば東京23区とほぼ同じほどの小さな国ですが、経済力や国際的な影響力は非常に大きいです。「アジアのハブ」として有名で、国際金融、物流、観光の拠点となっています。特に港湾と空港は世界有数の規模を誇り、効率的なインフラと厳格な管理体制で知られています。
シンガポールは多民族国家で、中国系、マレー系、インド系を中心にさまざまな文化が共存しています。そのため、公用語も英語・中国語・マレー語・タミル語の4つが認められており、街を歩くだけで多様性を感じることができます。治安は世界的にも良く、都市の清潔さや交通の便利さも際立っています。
日本との違い
日本と比べると、いくつか大きな違いが見られます。
- 国土の広さ
日本は北海道から沖縄まで様々な都市が点在していますが、シンガポールは東京23区ほどの小さな面積しかありません。 - 気候
日本は四季がはっきりしていますが、シンガポールは一年中ほぼ同じ気温です。服装も基本的に半袖で過ごせますが、建物の中は冷房が強いため、羽織り物が必須です。 - 文化の多様性
日本は比較的単一民族国家ですが、シンガポールは多民族国家です。そのため宗教施設も街にあふれており、仏教寺院、モスク、ヒンドゥー寺院、教会などが隣り合って建っている光景も珍しくありません。 - 法律と規制
シンガポールは「罰則が厳しい国」としても知られています。ポイ捨てやガムの持ち込み禁止、公共交通機関での飲食禁止など、ルールが細かく設定されています。日本もマナー意識が高い国ですが、ここまで厳格に法律で定められている点は大きな違いです。 - 言語環境
日本では日本語が中心ですが、シンガポールでは英語が共通語として使われています。そのため外国人にとって生活しやすく、国際色豊かな雰囲気を感じられます。
何故シンガポールに魅力的な動物園・水族館が多いのか
シンガポールには、世界的にも評価の高い動物園や水族館が数多くあります。代表的なのは Mandai Wildlife Group(旧Wildlife Reserves Singapore) が運営する施設で、2025年8月時点ではSingapore Zoo、Night Safari、River Wonders、Bird Paradise、Rainforest Wild ASIAの5園を運営しています。いずれも動物福祉の最先端を行く大規模な園で、世界的にも評価が高いです。
さらに、南部のセントーサ島には世界最大級の水槽を誇る水族館Singapore Oceanariumもあり、動物好きや観光客にとって大きな魅力となっています。
さて、国土の狭いシンガポールに、何故ここまで大規模な園館が揃っていのでしょうか?
いくつかの理由が考えられます。
- 観光立国としての戦略
シンガポールは国土が小さく、自然の観光資源が限られています。そのため、都市型観光や人工的に作り出すエンターテインメントに力を入れてきました。動物園や水族館は「教育・娯楽・観光」を兼ね備えており、海外からの観光客にとっても分かりやすい魅力となっています。また、シンガポール政府は観光産業を国家の柱のひとつに位置づけています。そのため、Mandaiプロジェクトのように国を挙げて大規模な投資を行い、動物園や水族館をただの娯楽施設ではなく「国の顔」として育ててきました。 - 気候と環境
赤道直下の熱帯気候は、アジアやアフリカの動物を飼育するのに適しています。広大なサファリ式の展示や屋外展示でも、一年中同じような気候で運営できるため、動物たちにとっても自然に近い環境が維持しやすいのです。 - 国際的な評価と教育的役割
シンガポール動物園は「世界でもっとも美しい動物園のひとつ」と称されるほど展示手法に定評があります。檻ではなく広い自然環境に近いスペースで飼育する「オープン展示」を早くから取り入れ、動物福祉や環境教育の面で国際的に高い評価を得ています。これは、先述した観光立国としての評価に繋がります。
日本にも多くの動物園や水族館がありますが、その多くは地方自治体が運営する「地域施設」としての役割が大きいです。一方、シンガポールでは運営自体は民間であるものの「観光資源」として国策レベルで整備されており、規模や展示方法に違いが見られます。
シンガポールの魅力
シンガポールは「治安の良さ」「アクセスの便利さ」「多文化体験」「英語環境」といった要素が揃い、旅行者にとって非常に居心地の良い場所です。動物園や自然体験以外にも、都市の洗練さや文化の多様性を満喫でき、初めての海外旅行にも自信を持っておすすめできる国なんです。
1. 抜群の治安と清潔さ
シンガポールは世界でもトップクラスの治安を誇り、街は非常に清潔に保たれています。法律による細かなルールや罰則で、公園や公共交通機関など多くの公共スペースが整然としています。そのため、女性の一人旅やファミリー旅行にも安心しておすすめできます。
2. 日本からのアクセスの良さ
東京・大阪・名古屋・福岡など、複数の主要都市から直行便が就航しており、飛行時間は約7時間程度。時差もわずか1時間なので、体への負担が少なく気軽に行きやすい海外旅行先です。
3. 多民族・多文化を体感できるグルメ
中華系・マレー系・インド系など多様な文化が混じり合う国ならではのホーカー(屋台)では、チキンライス・ラクサ・サテーなどローカル料理が気軽に味わえます。高級レストランから屋台まで幅広く選べる食体験が魅力です。
4. 都会と自然の調和
「ガーデンシティ」の名を持つシンガポールは、マリーナ・ベイ・サンズやガーデンズ・バイ・ザ・ベイのような近未来的な都市景観と、植物園や自然保護区とが美しく調和しています。都会的な便利さと緑豊かな癒しが同時に味わえる場所です。
5. 多文化地区の街歩きが楽しい
チャイナタウン、リトル・インディア、アラブ・ストリートなど、エリアごとに異なる文化や雰囲気が広がっており、まちを歩くだけでまるで別の国々を巡るような体験ができます。
6. 英語が通じる安心感
公用語のひとつに英語があり、観光案内・お店・交通機関などで英語が通じやすいのも魅力。外国語への不安が少なく、初めての海外旅行にもぴったりです。
7. 日本人旅行者も多い安心な環境
長らくシンガポールは、日本人にとって人気の海外旅行先です。2024年に約57万人の日本人旅行者が訪れています。動物園内でも日本語の案内表示があり、日本からの旅行者が安心して過ごしやすい環境が整っています。
シンガポールの園館
さて、シンガポールの魅力は伝わりましたでしょうか?ここからは、シンガポールにある魅力的な園館を紹介していきます。
Singapore Zoo




Singapore Zooは、世界で最も美しい動物園のひとつ として国際的に高く評価されている施設です。1973年に開園して以来、半世紀以上にわたり「動物本来の姿を見せる展示」と「動物福祉を重視した飼育方針」を貫いてきました。熱帯雨林の自然環境を活かした広大な敷地の中で、檻や鉄格子をできる限り排除し、水濠や植生を使って仕切る「オープンコンセプト展示」を導入した先駆的な動物園として知られています。この革新的な展示方法により、訪れる人々はまるで野生の森の中に足を踏み入れたかのような臨場感を味わえるのが大きな魅力です。
シンガポール動物園は「世界の動物園ベストランキング」に常に上位に名を連ねています。観光ガイドブックだけでなく、動物福祉や教育関係の専門家からも「模範的な動物園」として取り上げられることが多く、観光施設でありながら国際的な学術的意義も持っています。
Night Safari




Night Safariは、世界初の夜行性動物専門の野生動物公園 として1994年に開園しました。世界的にも珍しい夜間限定の動物園で、シンガポール観光のハイライトとして絶大な人気を誇ります。
ここでは、昼間は眠っている夜行性動物たちの本来の姿を間近で観察できます。園内は最低限の照明しかなく、あえて薄暗い環境を維持しているため、訪れる人はまるでジャングルの夜を探検しているかのような臨場感を味わえます。
見どころのひとつは、トラムに乗って広大な敷地を巡るナイトツアーです。アジア、アフリカ、南米などのエリアを進むと、暗闇の中に浮かび上がる動物たちの姿に出会えます。また、徒歩で巡る「ウォーキングトレイル」もあり、より近い距離で観察することができます。
Night Safariは単なる観光施設ではなく、夜行性動物の生態を教育的に紹介し、保護の重要性を伝える場としても高く評価されています。シンガポールに来たら一度は体験したい、唯一無二のアトラクションです。
River Wonders




River Wondersは、世界の大河をテーマにしたユニークな動物園兼水族館 です。アマゾン川、ナイル川、長江、メコン川など世界の代表的な川をモチーフにした展示エリアを巡りながら、それぞれの地域に生息する動物や魚を観察することができます。
最も人気が高いのは、中国の長江エリアにある ジャイアントパンダです。冷房設備を完備した専用展示室で、自然に近い環境の中で暮らす姿を間近で見られるのは、東南アジアでは大変貴重です。また、出口付近の巨大水槽には、マナティや大型魚が優雅に泳ぎ、迫力ある光景が訪れる人を魅了しています。
さらに「Amazon River Quest」というボートライドアトラクションも人気で、ボートに乗ってジャガーやグアナゴ等の動物を観察できる体験は、まるで遊園地のライドと動物園を融合させたかのような新感覚の展示です。
River Wondersは、ただ動物を見るだけではなく「川の環境が人間や動物の暮らしに与える影響」を学べる場でもあり、教育と観光が見事に融合した施設です。
Bird Paradise




2023年にオープンしたBird Paradiseは、アジア最大級の鳥類園 です。旧Jurong Bird Parkの後継施設として誕生し、9つの巨大なウォークイン型のエリアを中心に構成されています。それぞれのケージが非常に大きく、動物園にいるということを忘れてしまうくらいの解放感があります。
ここでは数千羽もの鳥が自由に飛び交い、来園者は鳥たちの群れの中に入り込んだような感覚を楽しめます。熱帯雨林、アフリカの草原、南米の湿地帯など、地域ごとに異なる生息環境が再現されており、インコ、フラミンゴ、オオハシ、ペリカンなど多様な鳥たちが自由に飛び回っています。
また、バードショーも大人気で、トレーニングされた鳥たちが空高く舞い上がったり、観客の近くに舞い降りたりする演出は圧巻です。教育的要素も含まれており、鳥の生態や保全活動についても学ぶことができます。
「鳥好きの聖地」ともいえるバードパラダイスは、シンガポール旅行の新しい目玉となっています。
Rainforest Wild ASIA




Rainforest Wild ASIAは、Mandai地区の最新プロジェクトのひとつで、アジアの熱帯雨林をテーマにした没入型の動物体験施設 です。
この施設では、マレー半島やインドネシア等に広がる、アジアの熱帯雨林に生息する動物を中心に紹介しています。広大なエリアに吊り橋やトレイルが整備され、来園者はまるで本物のジャングルを探検しているような感覚で動物たちに出会うことができます。
トラ、テナガザル、アジアの鳥類等の野性味あふれる展示が特徴で、既存の動物園とは一味違う「冒険型」の体験を楽しめます。環境教育にも力を入れており、アジアの熱帯林が抱える環境問題や絶滅危惧種の保護の重要性についても学べる仕組みになっています。
また、展示場付近でバンジージャンプやロッククライム等のアクティビティが体験できるのも大きな特徴です。
今後はシンガポールを代表する新しい観光資源としてさらに注目を集めることが期待されています。
Singapore Oceanarium
Singapore Oceanariumは世界最大級の水槽を持つ水族館で、2025年7月にリニューアルオープンしました。前身は「S.E.A.アクアリウム」で、かつてからアジア有数の人気を誇っていましたが、このたびのリニューアルによって施設の規模は飛躍的に拡大し、展示内容も従来の「見て楽しむ」水族館から「学び、体験し、考える」複合的な施設へと進化を遂げました。
従来の水族館では巨大水槽や海洋生物の展示が中心でしたが、Singapore Oceanariumはそれに加えて、海洋研究の成果や環境保全の取り組みを直接来館者に伝える仕組み を数多く取り入れています。例えば、海洋プラスチック問題や絶滅危惧種の保護といったテーマをわかりやすく解説する展示があり、子どもから大人まで海の環境について理解を深められるよう工夫されています。
また、「教育」と「エンターテインメント」が融合している点も特徴的です。デジタル映像や没入型体験を活用し、ただ魚を見るだけではなく、まるで海中を探検しているような感覚を楽しめます。
最新のテクノロジーを駆使したインタラクティブな展示は、家族連れや観光客にとって大きな魅力となっており、セントーサ島の新しい目玉スポットとして期待されています。



各施設の詳しい訪問レポートも今後順少しづつ書いていきます!
それぞれの施設にどのような種類の動物がいるのか気になる方は、Zootieristeでの検索がおすすめです。常に最新とまでは行きませんが、比較的正確な情報が記載されています。


シンガポール遠征のコスト
ここまでで、シンガポールが行きやすい国であり、素晴らしい園館が揃っているということは理解していただけたと思います。さて、次に気になるもの、それはコストですね!



実際の遠征経験をもとにコストを考えてみました!
「東南アジア旅行=物価が安い」というイメージを持っている方もいるのではないでしょうか?残念ながら、シンガポールは「東南アジアの中でも物価が高い国」として知られています。世界的に見ても生活費の高さはトップクラスにランクインすることが多く、特に家賃や自動車関連の費用は驚くほど高額です。これは島国で国土が狭く、資源や食品を輸入に頼っていること、さらに富裕層が多く住む都市国家であることが理由です。ただし、旅行者の目線で見ると、工夫次第で高くも安くも楽しめるのがシンガポールの面白いところです。
航空券


まずは航空券から見ていきましょう。日本からシンガポールへは多くの航空会社が直行便を運航しており、値段やサービスにもばらつきがあります。参考までに、2026年1月の成田空港発着便の例でコストを見て見ましょう。
航空会社 | 分類 | 往復総額運賃 |
スクート | LCC | ¥44,000 |
エアージャパン | LCC | ¥50,000 |
シンガポール航空 | フルサービス | ¥150,000 |
日本航空 | フルサービス | ¥200,000 |
LCCは座席の指定、預入手荷物の持ち込み、機内食等が有料です。航空券を探す際には必ず条件を確認しましょう。また、航空券のコストは時期による変動が大きいです。
このように、航空会社やサービス内容により値段が大きく異なります。では、どのようにすれば少しでもお得な航空券が買えるのでしょうか?
- 航空券比較サイトを活用しましょう(Skyscanner等)
- 安い時期を探して渡航しましょう(連休前後等)
- 必要なサービスを選びましょう(座席指定をしない、荷物を減らす等)



このように工夫をしていけば、多少は安く航空券が購入できます!
海外の航空券購入サイトなどにはトラブルの多いサービスもあります。利用の際には注意しましょう。
宿泊
シンガポールは高級ホテルの選択肢が非常に豊富で、Marina Bay SandsやResorts World Sentosaといったラグジュアリーな宿泊施設は1泊数万円〜10万円近くになることもあります。一方で、MRT(地下鉄)駅近くには中級ホテルやゲストハウスも充実しており、多少安めの金額で滞在することができます。日本と比べると「ビジネスホテル感覚で泊まれる格安ホテルは少ない」ですが、その分サービスや清潔さは全体的に高水準です。
では、少しでも安く宿泊するにはどうすればよいのでしょうか?選択肢は大きく分けて2つあります。
Singapore Zoo等のMandai系列園はマレーシアとの国境に比較的近い位置に立地しています。日本では考えられませんが、隣国マレーシアへは橋が繋がっており、陸路での移動が可能です。陸路と言っても長距離を歩くのではなく、専用のバスがあります。国境を越えてマレーシアに渡れば、物価が約3分の1になり、そこそこのビジネスホテルに3千円ほどで宿泊可能です。
国境越えは都度入国審査や手荷物の確認があるため、時間と体力が必要です。しかし、逆に言えばそれらに余裕があるのであれば、宿泊の為に国境を越えて宿の値段を抑えるのも一つの手です。
もう一つの手段が、ホステル等での相部屋の利用です。シンガポールはその宿泊代の高さから、ホステルと呼ばれる宿が多く存在します。部屋や設備は会社により異なりますが、大まかにいうと大部屋に2段ベッドが並び、共用のトイレやシャワーを同部屋の宿泊者と共有するスタイルです。ただ、こちらに関しては初めてだとハードルが高く、盗難等トラブルのリスクも少なからずありますので、慣れている方以外はおすすめしません。
大まかにまとめると、このようになります:
宿泊施設 | 立地 | 1泊の宿泊費 |
ビジネスホテル | シンガポール都市部 | ¥8000~¥15,000 |
ビジネスホテル | マレーシア | ¥2000~¥4,000 |
ホステル | シンガポール都市部 | ¥3000~¥6,000 |
高級ホテル | シンガポール都市部 | ¥30,000~ |
Singapore Zoo等のMandai系列園があるシンガポール北部は宿泊施設の数が非常に少なく、選択肢は数件の高級ホテルのみです。宿泊場所の選定には注意しましょう。



私は基本ホステル派ですが、先日の遠征では同室の外国人が夜中に飲みすぎて嘔吐したりしていたので、そのようなアクシデントに抵抗の無い方にはお勧めしません。
食費


食事に関しては「高級も庶民も両極端にそろっている」のが特徴です。ミシュラン星付きのレストランも数多くあり、フルコースなら1人2万円を超えることも珍しくありません。しかし一方で、シンガポールの食文化を支える ホーカーズ(屋台) では、チキンライスやラクサ、ナシレマといったローカル料理を一皿5〜10シンガポールドル(600〜1,200円前後)で楽しむことができます。
動物園等の観光地では多少割高になりますが、それでも一皿12〜20シンガポールドル(1,400〜2,300円前後)で楽しむことができます。
海外の屋台での食事は衛生面がおろそかになっていたり、日本人の口に合わない味付けの可能性があります。せっかくの旅行を腹痛で楽しめないのはもったいないので、多少金額が高くても安心できる飲食店の食事をお勧めします。



私は遠征時は基本的に園内のレストランや街中のセブンイレブンを活用しています。食あたりなどで動けなければ本末転倒ですからね。
入園料


全体的に物価の高いシンガポールですが、先述したとおり動物園・水族館は民間で、主に観光客をターゲットにして収益構造を構築しています。その為、日本での感覚と比べて入園料が高額です。
こちらは先ほど紹介した主要園館の入場料です:
施設 | 大人 | 子ども(3-12歳) |
Singapore Zoo | ¥5,700 | ¥4,000 |
Night Safari | ¥6,700 | ¥4,800 |
River Wonders | ¥5,200 | ¥3,800 |
Bird Paradise | ¥5,700 | ¥4,000 |
Rainforest Wild ASIA | ¥5,200 | ¥3,800 |
Singapore Oceanarium | ¥5,800(平日) ¥6,400(土日祝日) | ¥4,500(平日) ¥5,000(土日祝日) |
なお、Mandai系列に関しては複数園を回る際に活用できる共通パスも販売されており、動物園遠征ではしごをする場合は活用できます。
2025年9月まではシンガポール独立60周年キャンペーンで入園料が安くなっており、5園に入れるチケットが約¥16,000で販売されています。今後もなんらかのセールが行われると予想されるので、ホームページ等で確認しましょう



物価全体でみると日本と同じくらいですね。日本の動物園がいかにお得かがわかりますね!
シンガポール遠征の注意点
シンガポールは治安が良く、日本からのアクセスも便利な人気観光地です。しかし、初めて訪れる旅行者にとっては「日本との違い」に戸惑うこともあります。ここでは初心者がシンガポール旅行を快適に楽しむために、知っておくと安心な注意点をご紹介します。
1. 厳しい法律とルール
シンガポールは「世界でもっとも法律が厳しい国のひとつ」として知られています。
- ガムの持ち込み・販売禁止:観光客が噛む分には大きな問題はありませんが、持ち込みは制限されています。
- 公共交通機関での飲食禁止:MRTやバスの車内での飲食は罰金の対象です。
- ポイ捨てや喫煙:ごみのポイ捨てや指定場所以外での喫煙も重い罰金があります。
日本では「マナー違反」で済むことも、シンガポールでは「法律違反」になる点は特に注意が必要です。
2. 気候対策
シンガポールは赤道直下にあるため、一年中30℃前後の高温多湿です。突然のスコール(短時間の大雨)もよくあります。
- 薄着でOKですが、建物内は冷房が強いため羽織り物を持参すると安心です。
- 折り畳み傘やレインコートは必需品です。
- 水分補給をこまめに行い、熱中症対策も忘れずに。
3. お金と支払い方法
シンガポールの通貨は シンガポールドル(SGD) です。
- 物価は高めなので、日本よりも出費がかさむことがあります。
- クレジットカードは広く利用できますが、屋台や小規模店舗では現金が必要です。少額紙幣やコインを用意しておくと便利です。
4. 食事での注意点
シンガポールはグルメ天国ですが、いくつか気をつけたいポイントがあります。
- 水道水は飲めるとされていますが、旅行者はミネラルウォーターを利用するのが無難です。
- 辛い料理や香辛料の強い料理も多いので、苦手な場合は注文時に伝えると安心です。
5. 交通機関の使い方
MRT(地下鉄)やバスは清潔で安全、観光にも便利です。
- 乗車前に EZ-LinkカードやTourist Pass を購入すると便利です。
- 先述の通り、車内での飲食は禁止されています。
- タクシーは日本より安めですが、深夜料金や空港からの追加料金があるため注意が必要です。
6. 文化とマナー
多民族国家のシンガポールでは、文化や宗教を尊重する姿勢が大切です。
- 寺院やモスクでは肌を露出しすぎない服装を心がけましょう。
- 写真撮影が禁止されている場所もあるので、現地の表示に従うことが大切です。
- 公共の場での大声や迷惑行為は控え、秩序を重んじる社会であることを意識しましょう。
7. 園内での注意点
シンガポールの動物園では来園者と動物の距離が近いため、注意が必要な場面もあります。
- 園内のルールをしっかり理解し、ルールを守って楽しみましょう。
- 触れてよいと明確に言われた場合を除き、動物が目の前にいても絶対に触れてはいけません。



最後に、動物園遠征者向けに一番の注意点です!
園内や周辺でペットボトルの販売はなく、代わりに園内各地にウォーターサーバーがあります。水筒等を持参しましょう!
おわりに
シンガポールは、法律やマナーが厳格で、気候や物価の違いなど、日本から来た旅行者にとって気をつけるべき点も少なくありません。しかし、それを差し引いても余りあるほどの魅力を持つ国です。特に注目すべきは、世界トップレベルの動物園や水族館の存在 です。
Mandai系列の5園(Singapore Zoo、Night Safari、River Wonders、Bird Paradise、Rainforest Wild ASIA)、そして最新のSingapore Oceanariumまで、これほど多彩で質の高い動物関連施設が一つの都市に集まっている場所は、世界的にも非常に珍しいといえます。檻を使わない自然に近い展示、夜のジャングルを探検するような体験、世界の大河を旅するような展示、何千羽もの鳥が頭上を舞う光景、そして巨大な水槽に広がる海の世界――どれも一度訪れたら忘れられない体験となるでしょう。
シンガポールは国土が小さいため、雄大な自然そのものを観光資源にすることはできません。しかし、その制約を逆手に取り、人工的な工夫で「本物以上に本物らしい」体験を提供することに成功しています。動物たちの姿をただ眺めるだけではなく、保全や教育のメッセージ を同時に受け取れる点も大きな魅力で、旅行者は楽しみながら自然環境の大切さを学ぶことができます。
初めてのシンガポール旅行であれば、マリーナ・ベイやチャイナタウン、グルメやショッピングなど訪れるべきスポットは数多くありますが、それらをすべて体験したとしても、もし動物園や水族館を訪れなければ、この国の本当の魅力の一部を見逃してしまうことになるでしょう。
シンガポールを訪れるすべての人に強くおすすめしたいのは、「ぜひ一度Mandaiに足を運んでみてほしい」 ということです。そこには、世界中のどの都市とも違う、シンガポールならではの「動物と自然と人間の共生の形」が凝縮されています。旅行の思い出がより深く、そして特別なものになることは間違いありません。