祝リニューアル!かもすいに行ってきた

こんにちは。二枚貝ホタテです。
2026年4月1日、山形県鶴岡市立加茂水族館がリニューアルオープンしました。おめでとうございます!新しい名前は「東北エプソンアクアリウムかもすい」。このオープンの直前、3月26日に内覧会に参加してきました。その時に感じたことをご紹介したいと思います。

どんな水族館?

かもすいはクラゲの飼育種数が世界一位の水族館です。
クラゲを極めるきっかけは、1997年にサカサクラゲの赤ちゃんが水槽に偶然発生したこと。当時の加茂水族館は入館者数が少なく、閉館の危機にありました。そこに突如現れた小さな小さな赤ちゃんクラゲにたくさんの人が注目し、その魅力に気づきました。まさに奇跡です。それからかもすいはクラゲを追求し、飼育種数もどんどん増加、入館者数も回復。クラゲはかもすいの救世主とも言えるわけです。今回のリニューアル前の飼育数は80種で、この時点で既に世界一だったのですが、リニューアル後はさらに記録を更新し、私が行った時点で100種を展示しています。

クラゲは身近な生き物で、今でこそあらゆる水族館で展示されています。海を眺めたら見つけることもあるし、時には海水浴場で刺されるなんてこともあります。しかしクラゲは分からないことだらけの謎多き存在。長期間飼育し、繁殖させて常に展示を維持するのは難しいことです。

クラゲを飼育するためには、「このクラゲは何を食べるのか」「水温はどれくらいがちょうどいいか」「容器の大きさと形は」「水流の強さは」といった飼育方法を調べないといけません。
種類にもよりますが、クラゲがふわふわ漂って生きるのは、クラゲ人生の最後のわずかな時間だけです。つまり大人のクラゲを常に展示するためには、水槽内でクラゲを繁殖させて、生まれた子供たちを大きく育てるというサイクルを絶え間なく続ける必要があるのです。それが数種類ならまだしも、100種類もいるのですから、その大変さは想像に難くありません。

無論クラゲの種類によって育て方は異なり、どのクラゲはどんな風に育てればいいかを明らかにしなければなりません。かもすいはただの楽しいエンタメ施設ではなく、クラゲの未知な生態を解き明かす研究施設でもあるのです。

内覧会に行こう!

私が内覧会に行けたのは、住民参加型市場公募債「かもすい∞クラゲ応援債」に応募したからです。関東在住の私ですが、幸運なことに抽選に当たりました。
はじめてのかもすい。もちろん今までも行きたい行きたいと思っていたのですが、行けてなかった理由は・・・アクセスが悪いからです。東京から日帰りなんてしたくない。ということで今回の旅路は以下の通りです。

1日目

新幹線で仙台に行き、仙台うみの杜水族館へ。夜に牛タンを食べてから19時に仙台駅を出発する高速バスで3時間かけて鶴岡駅前に行き、駅周辺のホテルに宿泊。

2日目

鶴岡駅前からバスで40分ほどでかもすいへ。夕方に鶴岡駅前に戻り、19時頃出発の高速バスで仙台に戻って宿泊。

3日目

八木山動物公園フジサキの杜に行き、夜に再度牛タンを食べてから新幹線で帰宅。

かもすいに行きたいだけなのに2回も牛タン食べました・・・。東京からかもすいまで一気に行けたらよいのですが、厳しかったので行きも帰りも仙台を経由しました。ちなみに新潟から鶴岡に行くこともできるみたいなので、水族館が好きな方は新潟市水族館マリンピア日本海と合わせていくのもいいかもしれませんね。
3月26日、木曜日。雨が降る中スーツケースを引きながら、なんとかかもすいへ到着しました。内覧会の入館は10時からなのですが、バスが水族館に到着したのは9時20分ごろ。仕方ないので入り口の前で待っていたところ、かもすいと一緒にクラゲ図鑑を作っているという方に話しかけていただき、完成直前の図鑑を特別に見せてもらいました。『生態がよくわかるクラゲ図鑑 知りたい会いたい』という本です。発売されたら買います。

地元日本海の自然

かもすいに行った感想ですが、「日本海」「クラゲ」「鰭脚類」の3つのエリアに分けられると思います。最初のテーマは日本海。水族館のすぐ目の前にある地元の海で暮らす生き物を展示しています。魚たちをただ水槽に入れるだけでなく、地元の漁業や料理について解説するパネルもあり、大変勉強になります。

このエリアで注目してほしい魚を紹介。まずはキジハタです。オレンジ色の体と、虹色に光る瞳が美しく、撮影していると実に楽しい。元気に泳いでいたので、角度によって七色に変わる瞳を見せてくれました。ちなみにキジハタは決して日本海限定の魚ということはなく、太平洋側を含め様々な水族館で見られる魚です。ぜひ見つけたら注目してください。

そしてもう一つ、かわいらしい深海生物がいたのでご覧ください。

薄いピンク色のものがフワフワ~と漂っていますね。その正体はダリアイソギンチャクという生き物です。イソギンチャクといえば岩にくっついて動かないというイメージがありますが、ダリアイソギンチャクは丸っこい体でコロコロ転がったり、水流に乗ってフワフワ漂って移動できるイソギンチャクです。深海生物と言えば怖い、気持ち悪いなどというイメージがある人もいるという噂ですが(私の周りではそんな人を見たことないですが)こういうかわいい深海生物もいるということをぜひ知っていただきたい。
日本海はマダラやスケトウダラ、ズワイガニなどの海産物を含め、深海の生き物がたくさんいます。なかなか見られない深海生物や、普段食卓に並ぶシーフードの生きた姿を観察できるチャンスです。

クラゲを真剣に科学する

3つのエリア、2つ目はいよいよクラゲです。人の顔くらい大きなエチゼンクラゲから、1mmにも満たない極小のクラゲまで、100種類のクラゲが展示されていました。最近見つかったばかりで研究が進んでいない新種など、日本でここでしか見られないクラゲもたくさんいます。
今回のリニューアルによって新しくできたのが「T-JERI(ティージェリー)」という研究所棟です。その中でも「マイクロアクアリウム」というエリアでは、小型のクラゲや赤ちゃんクラゲたちがたくさん展示されています。同じ種の子供と大人を並べた展示もあり、野生から採ってくるだけでなく水族館でクラゲを繁殖させる技術の賜物です。

クラゲそのものと同じくらい注目してほしいのが、壁に書かれたたくさんの情報。そもそもクラゲと呼ばれる生き物がどんな存在なのか、生物学の世界ではどんな分類で整理されているか、かもすいではどんな研究をしているのかなど、科学的な情報が丁寧に解説されています。

話は変わりますが、最近の水族館ではクラゲをカラフルな照明で照らしてアートみたいにするのが流行っています。

かもすいにも巨大なミズクラゲの水槽「クラゲドリームシアター」がありまして、ミズクラゲが作る壁は幻想的です。ただ、正直に本音を話しますと、一部の水族館がやっているような、クラゲをカラフルにライトアップして、生き物としてではなくインテリアのように扱う展示があまり好きではありません。
生き物が本来持っている美しさを見せず、自然界ではありえないような色の照明に照らされるクラゲたち。命としてではなく照明を受ける装置として展示され、生き物としての良さを損なっているとさえ思っています。

その点かもすいは照明もシンプルで、特に大きめの水槽ではスポットライトのように中央を照らしています。黒い背景も相まって、クラゲ自身が持つ半透明な体の美しさが際立つ展示です。あと、クラゲドリームシアターを含め、大型の水槽の前には椅子が置いてあることもあり、ゆったりと眺められるのもありがたいです。

表情豊かなアザラシ・アシカ

表情を持たない幻想的なクラゲたちのあとは、一転して楽しい哺乳類たちのゾーンです。屋外に出るとゴマフアザラシとカリフォルニアアシカが暮らすプールがあります。

かもすいでは客がアザラシに向かって魚を投げて与えるというイベントがあります。内覧会では練習中で、飼育員の方が投げていましたが、撮影が好きな自分にはどちらでも問題ないです。

アザラシたちは投げられる魚をしっかりと見ながら器用に泳いでいました。まるでスポーツ選手のよう。水族館のアザラシといえばダラダラとのんびりしていることが多いですが、餌を食べるために豪快に水しぶきを立てて泳ぐ姿は迫力があります。動物に餌をあげるイベントは楽しいですが、同時にアザラシの持つ身体能力を教えてくれます。

楽しかったけど、大変だった・・・

内覧会は本当に楽しかったです。学校が春休みの時期とはいえ平日だったこともあり、人が少ない中で撮影に没頭できました。ただ、楽しいことだけでもなかったんですよね・・・。
内覧会の最中は館内にあるレストラン「沖海月(おきみづき)」が準備中でした。また水族館周辺にはレストランやカフェがなく、飲食できる場所はありません。内覧会の終了時刻である15時に水族館を出て、グーグルマップでそれらしきお店を見つけたのですが、行ってみたら開いていませんでした。それからは16時すぎのバスが来るまでお腹を空かせながらただただ海を眺める虚空の時間でした。

とはいえ、入ってすぐのところにクラゲアイスを売るお店があって、内覧会では無料でいただくことができました。濃厚なバニラアイスの中に凍ったクラゲのかけらが入っていて、コリコリとした触感がアクセントになっています。
行くのは大変ですが、また行く機会ができたら今度こそ沖海月でご飯を食べたいです。

楽しい、癒される、だけじゃない

かもすいの魅力を一文で表すなら「生き物の表面的な魅力を見せるだけで終わらず、学術的に研究しながら教育を推し進めていこうとする心意気」だと思います。

深海生物もクラゲもアザラシも、水族館に来た人々を楽しませてくれる存在ですが、それ以前に、地球で暮らす生き物です。生き物を見た人が単に面白さや美しさを感じるだけではなく、科学的に見るとどのような生物なのか、あるいは海産物として人間とどのような関わりを持ってきたのか、といった学術的な面白さの視点から生き物たちを見せてくれました。水族館が持つ教育施設としての一面を強く押し出していると思います。もちろん、研究施設としての側面もあり、壁一面に記された解説を読むことでクラゲの謎を知ることもできます。

交通の便の悪さと、周辺の虚無さだけには注意が必要ですが、それに目をつぶれば本当に素晴らしい水族館です。かもすいを筆頭に、エンターテインメントに振り切らず、教育と研究に力を入れた水族館がもっと評価されてほしいと願います。

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この記事を書いた人

生物が好き。ポケモンと謎解きゲームも好き。