こんにちは!生きものの語り部です。
このコーナーでは、日本各地の動物園が取り組む活動や、近日実施されるイベントを紹介する『動物園ニュース』を、月2回のペースで配信しています。
ぜひZoology Loreの過去記事や、前回の動物園ニュースもご覧いただければ幸いです。
動物園・水族館を「デザイン」から考える
2026年3月18日から5月11日まで、国立新美術館内ミュージアムショップにおいて、動物園・水族館の「デザイン」をテーマとした特設展示「Zoo / Design / Wonder『生きている』をデザインする」 が開催されます。
本展示は、単なるグッズ販売や企画展とは異なり、「動物園という空間そのものがどのように設計されているか」に焦点を当てた試みです。園内サイン、展示構造、観察動線、教育プログラムなど、私たちがいつも動物園で無意識に体験していることをデザインという視点から読み解きます。
近年の動物園では、動物福祉の向上と来園者理解を両立させるため、展示設計そのものが大きく変化しています。檻を見せないランドスケープ展示、行動を引き出す環境エンリッチメント、情報伝達としてのグラフィックデザイン——これらはすべて「生きている存在をどう伝えるか」という問いへの回答でもあります。
本企画は、動物園の裏側を来園者が意識的に捉える貴重な機会のではないでしょうか。ぜひ足を運んでみてください。

台北市立動物園から円山動物園へマレーグマ寄贈
台湾の台北市立動物園は2026年2月、飼育中のマレーグマ2頭を繁殖目的で札幌市円山動物園へ寄贈すると発表しました。
両園は2013年に協力関係の覚書を締結して以来、種の保存や飼育技術交流を継続してきました。これまでにも円山動物園からヨウスコウワニやヤドクガエルが寄贈されるなど、相互協力の強化が進められてきています。
マレーグマは東南アジアに生息する最小のクマですが、生息地の森林減少や密猟の影響を受け、野生個体数の減少が懸念されています。こうした状況下では、単一園館での繁殖だけではなく、国際的な個体群管理が不可欠です。
今回の移動は、来園者が目にする1頭の動物の背後には、国境を越えた科学的ネットワークが存在していることを示す良い例だといえます。
かつて円山動物園では、マレーグマの悲しい死亡事故があっただけに、この移動は日本の動物園ファンにとって、非常に印象的なものになりそうです。
動物園に眠る“資源”とは何か―京都動物園シンポジウム開催
2026年3月22日、京都市動物園にてシンポジウム「動物園にねむる資源(たから)を見つけ出せ」 が開催されます。
動物園には、
・長年の行動観察記録
・飼育員の経験知
・映像アーカイブ
・教育活動の蓄積
・来園者の反応データ
といった膨大な情報が存在します。しかし現在の日本の動物園では、それらが研究・教育資源として十分に活用されているとは言えません。
本イベントでは、ICT活用、インクルーシブデザイン、市民参加型研究(シチズンサイエンス)などの視点から、動物園を「みんなの学びの場」へ拡張する可能性が議論されます。動物園が観察の場から共創の場へ変化しうることを示す内容となっています。
このイベントは、日本の動物園の未来像そのものを問う試みです。動物を見る場所から、知識を生み出す場所へ——その転換点が、いま各地で模索されています。

まとめ
今回の記事では、2026年3月前半の動物園に関するニュースをお届けしました。
今後も、日本各地の動物園や水族館のイベントや出来事を、ニュースとして紹介していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


