動物園ニュース【2026年5月】〔下〕

こんにちは!生きものの語り部です。

このコーナーでは、日本各地の動物園が取り組む活動や、近日実施されるイベントを紹介する『動物園ニュース』を、月2回のペースで配信しています。

ぜひZoology Loreの過去記事や、前回の動物園ニュースもご覧いただければ幸いです。

新設の「動物園学会」 クラウドファンディングを開始

新たに設立された「動物園学会」が、活動開始に向けたクラウドファンディングをスタートすると発表しました。SNS上では、研究者、飼育員、獣医師、教育関係者、そして動物園を支援する一般市民に向けて協力が呼びかけられています。

現時点では学会の詳細な活動内容や組織体制について公表情報はまだ限られています。しかし、「動物園学」という枠組みそのものが社会的に注目され始めていることは確かです。

これまで日本の動物園は、獣医学、動物行動学、教育学、環境学など複数分野の知見によって支えられてきました。しかし一方で、「動物園そのもの」を総合的に研究対象とする独立分野は、必ずしも十分に体系化されてきたとは言えません。

近年は動物福祉、種の保存、環境教育、来園者研究、展示デザイン、倫理的課題など、動物園が担う役割が急速に高度化しています。そうした中で、現場知と学術知を横断的につなぐ場への需要が高まっていました。

特に注目すべきは、「学会」という形式を採用した点です。動物園界では従来、園館同士のネットワークや協会活動が中心でした。しかし学会化することで、研究成果の共有、若手研究者育成、学術大会開催、査読論文の蓄積など、より長期的な知識基盤の形成が期待されます。

(学会の中心的な存在になる帝京科学大学の佐渡友陽一先生のご紹介ページです。)

小諸市動物園 バックヤード探検ツアーを企画

1926年開園という長い歴史を持つ小規模動物園であり、2026年には開園100年を迎える、長野県の小諸市動物園が、バックヤード探検ツアーを企画し、来園者に普段は見られない飼育現場を紹介する取り組みを進めています。

バックヤードツアーは近年、多くの動物園で人気企画となっています。

バックヤードツアーでは、動物園が日常的にどのようなケアを行っているのかを来園者に伝えることができます。例えば、動物の餌の準備、健康チェック、清掃、行動観察、環境エンリッチメント――。来園者が展示場で見る動物たちの姿は、こうした裏側の積み重ねによって支えられています。特に小規模な園では、限られたスタッフ数で多様な業務を担っていることも少なくありません。だからこそ、バックヤード公開は「飼育の苦労」を伝える場であると同時に、「動物園とは何をしている施設なのか」を理解してもらう教育活動でもあります。

また、小諸市動物園は近年、動物福祉向上に向けた施設改修にも力を入れています。老朽化した獣舎の整備や飼育環境改善は、小規模な自治体の動物園にとって決して容易なことではありません。その中で、来園者との距離の近さを活かし、「支える来園者」を育てようとしている点に注目していきたいところです。

京都市動物園 テーマソングの歌詞を一般募集

京都市動物園が、「京都市動物園テーマソングプロジェクト」を開始し、テーマソングの歌詞募集をスタートしました。

募集期間は2026年5月24日から8月23日まで。応募資格は年齢・居住地・プロアマを問わず、「京都市動物園に親しみや思い出を持つ方」とされています。

採用作品は、日本音楽界を代表する作曲家であり、前文化庁長官でもある都倉俊一によって作曲され、将来的には園内放送やイベントなどで活用される予定です。

動物園が「歌」を持つ――これは一見するとユニークな広報企画に見えるかもしれません。しかし実際には、動物園の存在意義を社会と共有する試みとして非常に興味深い取り組みです。

京都市動物園は、日本で2番目に古い歴史を持つ動物園であり、近年は「いのちをつなぐ動物園」を理念として掲げています。その理念を言葉として市民とともにつくることに、この企画の本質があります。

動物園は地域の記憶や感情と深く結びついた場所でもあります。幼少期の思い出、家族との時間、初めて見た動物の驚き――そうした個人的体験が積み重なり、「その街の動物園」になっていきます。

テーマソング募集は、その記憶を「文化」として残そうとする試みの1つだと言えるでしょう。

まとめ

今回の記事では、2026年5月後半の動物園に関するニュースをお届けしました。
今後も、日本各地の動物園や水族館のイベントや出来事を、ニュースとして紹介していきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

2025年から、当ブログを運営。動物園専門のメディアを目指しています。