こんにちは!生きものの語り部です。
このコーナーでは、日本各地の動物園が取り組む活動や、近日実施されるイベントを紹介する『動物園ニュース』を、月2回のペースで配信しています。
ぜひZoology Loreの過去記事や、前回の動物園ニュースもご覧いただければ幸いです。
ボルネオゾウと人との共生を考える 日本とマレーシアの子どもたちをつなぐSDGsワークショップ
豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)が、「絶滅危機のボルネオゾウと仲良く暮らすには!?」をテーマにした国際ワークショップの参加者を募集しています(開催は6月27日(土)の予定です)。
マレーシア・ボルネオ島と日本をオンラインで結び、小学生たちが一緒に野生動物と人間の共生について考えるSDGsプログラムです。参加者は現地の子どもたちや保全活動関係者と交流しながら、ボルネオゾウを取り巻く課題について学びます。
ボルネオゾウは世界でもボルネオ島北部にのみ生息する希少なアジアゾウの一系統です。しかし近年、パーム油生産のための農園開発などによる森林減少によって生息地が分断され、人との軋轢も深刻化しています。野生個体数は約1000頭とされ、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでも絶滅危惧種に分類されています。
このワークショップの特徴は、「かわいそうな動物を守ろう」という単純な構図ではなく、「人と野生動物がどう共存できるか」をテーマにしている点です。野生動物保全の現場では、保護だけでは解決できない問題が数多く存在します。農作物被害、土地利用、地域住民の生活など、人間社会との調整が欠かせません。だからこそ近年の保全教育では、「動物を好きになること」に加えて、「人と自然の関係を理解すること」が重視されるようになっています。
また、日本の子どもたちが海外の同世代と直接交流する機会は決して多くありません。遠く離れたボルネオ島の問題が、実は私たちの消費行動や生活ともつながっていることを学ぶ機会になるでしょう。

多摩動物公園でゴールデンターキン誕生 国内希少種群維持への期待
多摩動物公園で、ゴールデンターキンの赤ちゃんが誕生しました。
ゴールデンターキンは中国の秦嶺山脈周辺に生息する大型草食獣で、金色がかった体毛が特徴です。その姿から「黄金のターキン」とも呼ばれています。
日本国内での飼育頭数は決して多くなく、多摩動物公園は国内有数の飼育・繁殖拠点として知られています。近年は高齢個体の死亡もあり、個体群維持が課題となっていました。
ターキンはウシ科に属しますが、その姿はヤギやレイヨウ、ジャコウウシを思わせる独特なものです。険しい山岳地帯で暮らしており、日本の動物園でも飼育例は限られています。
近年の動物園では、ジャイアントパンダやコアラのような人気種だけでなく、飼育数の少ない希少種の繁殖にも力が注がれています。ゴールデンターキンもその一例です。こうした動物は知名度こそ高くありませんが、遺伝的多様性を維持しながら飼育個体群を存続させるためには、計画的な繁殖が不可欠です。
旭山動物園にマヌルネコ「ヒデ」来園
旭山動物園に、新たなマヌルネコのオス個体「ヒデ」が来園しました。
旭山動物園によると、ヒデは1歳のオスで、6月10日に東山動植物園から移動してきました。来園直後は環境の変化に戸惑う様子も見られましたが、健康状態は良好で、6月17日に一般公開されました。
マヌルネコは中央アジアの寒冷地に生息する野生ネコで、丸い顔と密度の高い被毛が特徴です。SNSなどで人気が高い一方、飼育や繁殖は容易ではなく、日本国内でも限られた動物園でのみ飼育されています。
旭山動物園では2026年春にマヌルネコ展示施設をリニューアルしたばかりです。岩場や高低差を活かした展示空間は、本来の生息環境を意識した設計となっており、動物福祉の向上と行動展示の両立が図られています。
今回のヒデの来園は、その新施設を活かした将来的な繁殖計画や個体群維持の観点からも重要な意味を持つ可能性があります。ヒデが新しい環境に順応し、将来的に繁殖に貢献していくのか。今後の動向に注目したいところです。
まとめ
今回の記事では、2026年6月後半の動物園に関するニュースをお届けしました。
今後も、日本各地の動物園や水族館のイベントや出来事を、ニュースとして紹介していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


