奇跡の誕生!盛岡市動物公園で紡がれる36年間のピューマ物語

2025年6月10日、盛岡市動物公園ZOOMOで日本の動物園史に新たな1ページが刻まれました。ピューマのタフとニーナが授かった5つ子の赤ちゃんたち——これは国内ピューマ繁殖史上、前例のない記録です。しかし、この感動の瞬間は突然生まれたものではありません。始まりは1989年、カナダ・ビクトリア市からやってきた2頭のピューマ。そこから数えて6世代・36年間にわたる、壮大な命のリレーが続いてきました。

歴史的瞬間:国内最多5つ子の誕生

運命の一日

盛岡市動物公園ZOOMO公式より
https://zoomo.co.jp/2025/06/12/8559/

2025年6月10日午後2時半から深夜0時にかけて、ニーナが約9時間かけて5頭の赤ちゃんを出産。初めての子育てながら、母としての本能を存分に発揮し、全国の動物ファンを魅了しました。

カシオペヤ座から名付けられた5つ子

北の空に輝くカシオペヤ座の星にちなみ、それぞれの名前が付けられました。

  • キャフ(♀) – 元気に成長中
  • ツィー(♂) – 元気に成長中
  • シェダル(♂) – 元気に成長中
  • ルフバ(♂) – 生後3日で死亡
  • セギン(♂) – 生後3日で死亡

生き残った3頭は、母ニーナとともに順調に成長しています。

1989年から続く壮大な物語

第1章:カナダから来園(1989年)

1989年4月6日、カナダ・ビクトリア市から雄雌ペアが盛岡に到着。後に「ほし」(♂)と「ひめ」(♀)と名付けられました。

  • ほし(♂):1989年来園、1998年死亡
  • ひめ(♀):1989年来園、1999年死亡

第2章:新たなペアと初の繁殖(2000〜2006年)

2000年7月、カナダから雄「ピュータ」と雌「ピューコ」が来園。2002年と2006年に計8頭を出産し、盛岡初のピューマ繁殖が実現しました。

  • 2002年生まれ:ピカ(♀)、ピコ(♀・天王寺へ)、ピピ(♀・日立→群馬)ほか1頭(生後2日で死亡)
  • 2006年生まれ:ソウマ(♂)、ユウマ(♂・とべへ)、フウマ(♂・東北サファリ→岩手サファリ)ほか1頭(生後1日で死亡)

第3章:血統の帰還(2013年)

公式Xより:https://x.com/moriokazoo/status/842220715378065408

ユウマの息子プルート(2012年とべ生)が盛岡に里帰り。先代と同じ「ピュータ」の名で呼ばれました(2017年死亡)。

第4章:交流と受け継がれる命(2018〜2019年)

ピュー子/公式Xより:
https://x.com/moriokazoo/status/1017683569244684288

2018年、秋田市大森山動物園から「ピュー子」が来園(2019年死亡)。
2019年9月25日、とべ動物園生まれのタフ(2018年生)が来園。タフはユウマの孫にあたります。
2020年5月19日には、日本平動物園生まれのニーナ(2019年生)が加わりました。

全国に広がる血統と盛岡の役割

日本のピューマ飼育施設(2025年8月時点)

盛岡市動物公園 ZOOMOピューマ展示場

国内でピューマを飼育しているのはわずか6施設14頭。盛岡は新生児3頭を含む5頭を擁する最大拠点です。

  1. 盛岡市動物公園ZOOMO(5頭)
  2. 静岡市立日本平動物園(2頭) – ニーナの両親アルタイルとベガ
  3. 愛媛県立とべ動物園(2頭) – タフの両親ピュータとラフ
  4. とくしま動物園(2頭)
  5. 神戸どうぶつ王国(2頭) – タフの妹ニコが在籍
  6. 福山市立動物園(1頭)

盛岡ペアの血統背景

  • タフ(♂):とべ動物園系統。父ピュータ(来園元カナダ)、母ラフ(父ユウマ×母マリー)
  • ニーナ(♀):日本平動物園系統(南アフリカ由来)。父アルタイル、母ベガ

この異なる系統の融合が、遺伝的多様性を確保し、5つ子誕生という成果を生み出しました。

  • 19年ぶりの繁殖成功(前回は2006年)
  • 唯一の親子同居展示(国内ピューマ飼育施設で唯一)
  • 血統保存のモデルケース:異系統交配による多様性確保

赤ちゃんたちの成長と展示

世界猫の日デビュー

2025年8月8日「世界猫の日」、母ニーナと3頭の赤ちゃんが一般公開。
生後2か月の子どもたちにはまだ斑点模様があり、生後半年から1年で消えていくといわれています。

未来への展望

成長した3頭は将来、全国の動物園で新たな繁殖ペアとなる可能性があります。盛岡から再び全国へ、命のバトンはつながっていきます。

1989年に始まった盛岡のピューマ物語は、カナダ、米国、南アフリカと世界をまたぐ血統の融合によって続いてきました。2025年の5つ子誕生は、その歴史の集大成であり、未来への希望です。
今だけの斑点模様と、母子の触れ合いを見られる貴重な機会を、ぜひ盛岡市動物公園ZOOMOで体感してください。

ZOOMOの寄付システム

次世代動物園のモデルケース

動物たちのくらしにとっても市の運営資金にとっても、これからの動物園に必要不可欠なのが寄付を積極的に活用した運営システムです。ZOOMOは以下の取り組みで全国から注目されています。

主な寄付プロジェクト

Amazon欲しいものリスト
動物たちのQOL向上のための物品を直接寄付。使用状況はSNSで報告され透明性を確保。
詳細: https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/39513DFY7IQ1Y?

動物医療費支援
年間不足分100万円を目標に募集。CT検査(5万円)、MRI検査(10万円)など高額な医療費をサポート。

動物病院建設(9000万円)
来園者が診療を見学できる新病院の建設費。ふるさと納税でも支援可能。
詳細: https://www.furusato-tax.jp/gcf/2982

ZOOMO FRIENDS
年会費3000円のサポーター制度。限定イベントや会報で園の取り組みを深く知ることができます。
ZOOMOの透明性の高い寄付システムは、自治体予算だけでは困難な動物福祉向上を市民参加で実現する先進モデルとして、全国の動物園の参考になっています。
寄付詳細: https://zoomo.co.jp/donation/

アクセス情報
  • 所在地:岩手県盛岡市新庄字松ノ池45-1
  • 開園時間:9:30〜17:00(最終入園16:00)
  • 休園日:水曜日(祝日の場合は翌日)
  • 入園料:大人500円/中高生300円/小学生100円
    ※展示は天候や動物の体調により変更になる場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
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この記事を書いた人

時々動物園に現れる動物園好きの男子学生。大型類人猿、アフリカゾウを愛しています。フォロワー様の影響でホッキョクオオカミに惚れました。主に秋田市大森山動物園に出没します。コミュ障を治し、フォロワー様と動物園を周ることが夢です。