企画概要
2026年8月15日、三重県のJAZA加盟園・ごかつら池どうぶつパークにて、ごかつら池どうぶつパーク・命と自然の学生基地・ZooPortalの3団体による1日限定ワークショップを開催しました。カラカル・ヤギ・どきどきるーむの両生類・爬虫類の3テーマから1つを選び、飼育員と大学生ボランティアによるガイドを聞きながら「自分だけの動物図鑑」をつくる企画です。本記事では、準備から本番までの裏側をご紹介します。
今回のテーマは、カラカル、ヤギ、そしてどきどきるーむの両生類・爬虫類(ホウシャガメ/フトアゴヒゲトカゲ等)の3つ。
小学生を主な対象とし、定員15名で募集しました。なお、年齢制限は設けませんでした。
「動物園において小学生や幼稚園生を対象に、希少動物に関する教育普及をすること、動物への興味を引き出すこと」を企画目的とし、企画・運営に関わった約24名のメンバーで取り組みました。
参加者は飼育員と大学生ボランティアによるガイドを聞きながら、ワークシートを使って動物を観察し、絵を描いたり情報をまとめたりして「自分だけのオリジナル動物図鑑」を作成します。学生は飼育員さんと一緒に動物ガイドを担当したほか、参加者の対応や図鑑づくりのサポートを行いました。
「命と自然の学生基地」は、「One Health」の理念のもと、学校や学部の垣根を越えて全国の学生が集まり、さまざまな分野を横断しながら活動している学生コミュニティです。現在は、北海道から沖縄県まで、約100名の会員が所属しています。
「地球環境と、そこに暮らす命のために何かをしたい」
「動物や生き物が好きで、もっと深く知りたい」
「自分たちの手でアクションを起こしたい」
そのような思いを持つ学生たちが集い、学び、行動を起こすための「拠点」。それが、「命と自然の学生基地」です。
必死の事前準備
今回、ZooPortalからは、新たに活動を始めたZooPortal取材班のメンバーが参加してくれました。今後、全国各地の動物園への取材など、活動の幅を広げていく予定のメンバーたちです。
全員獣医学部生とはいえ、動物園動物について詳しいかどうかはまた別の話です。今回は実際に来園者の皆様を前にガイドを行います。入園料や参加費をお支払いいただいてご参加いただく以上、子どもたちに楽しんでもらうだけでなく、大人の来園者の方からの質問にもしっかり対応し、満足していただける内容にしなくてはなりません。
そこで、本番までに担当する動物についてしっかり勉強してもらうことにしました。
募集時、動物に関する知識を確認していましたが、実際に飼育員さんと一緒にガイドを担当するとなれば、それだけでは十分ではありません。ただ、全員やる気は十分!一人にはカラカルの個体識別を、もう一人にはヤギの個体識別を……と、それぞれの担当に合わせて必要な知識を身につけてもらいました。
中には私の家まで来て個別指導を頼んでくれるメンバーもいました。期末試験直後で全員かなり疲れている中でしたが、それぞれ意欲的に取り組んでくれました。
当日までには、それぞれが担当する動物について、子どもたちはもちろん、大人の来園者の方からの質問にも十分に対応できるだけの知識を身につけたうえで、本番に臨みました!!
Ryusei試験期間中に徹夜して、必死に問題や参考資料を作成した編集長がいたとか…
問題 (満点取れるようにしてきて P.1:各5点 P.2:各10点)
1. カラカルの生息地は
2. カラカルは何を食べる? 例を2種あげよ
3. カラカルは日本に何頭いる?
4. カラカルの特徴で以下の中から間違っているものは?
A 機動力に優れる
B ふさふさしたタテガミを持つ
C 特徴的な模様がある
D 跳躍力にも、高速走行にも、持久力にも優れる
5. ヤギの崖踏破能力が高いのはなぜ?
6. ヤギが家畜として利用しやすい理由は?
7. ヤギに関して間違っているものを選べ
- 粗飼料の消化に優れる
- 中央アジアでベゾアールから分化
- 原種であるパサンは現存しており、海外の動物園では見ることもできる
- どんな紙でも食べられる
- 学習能力が乏しい
8. ごかつら池どうぶつパークで飼育されている両生類・爬虫類の中で、日本の固有種であるのは以下の種類のみである (○ ×)
- ニホンイシガメ
- シュレーゲルアオガエル
- ヒガシニホンアマガエル
- アカハライモリ
- モリアオガエル
9. ごかつら池どうぶつパークには毒蛇が多数いる (○ ×)
10. ヒガシニホンアマガエルはつい最近新種として、ニホンアマガエルから独立した種である(○ ×)
当日の様子
参加する学生は全員、前日入りして会場設営や当日の流れの確認などを行いました。ごかつら池どうぶつパークを訪れるのが初めての学生がほとんどだったため、園内も案内していただきました。




いよいよ開始時間が迫り、全員が緊張する中で参加者の皆様を迎えました。なんと参加枠は満員!!いつもZooPortalを応援してくださっている小学生や保護者の方、お世話になっている園の常連の方まで、様々な方に参加していただき、本当に嬉しかったです。
カラカルグループ




やはりカラカル人気はすさまじく、カラカルグループには参加者が多く集まりました。
新たに来園したオスのカラカルきせきも起きてくれたり、メスのジナもお散歩を始めてくれたりと、タイミングにも恵まれました!!屋内・屋外の両方の展示場を使ってガイドを行うことができ、ジナお嬢様の「シャー!」を観られた参加者の方も…
来園者の方だけでなく、参加した大学生メンバーからも多くの質問が出て、少し専門的な内容にもなりました。子どもたちはもちろん、大人の来園者の方にも楽しんでいただけたのではないかと思います。
ヤギグループ


事前学習でヤギの個体識別までしっかり身につけた“ヤギオタク”が大活躍!ゆきまる…アルバ…ゆきの…みるく…カン…テン…双子や模様がそっくりな子もいる中、よくここまで覚えてきたなと感心しました。
品種や血縁関係の話まで幅広く紹介し、大人の来園者の方からもご好評いただきました!ゲリラ豪雨に見舞われるなどのハプニングもありましたが、飼育員さんとも協力しながら無事にガイドを行うことができたようです。園の常連の方にも盛り上げていただき、大変助かりました。



実はこのヤギオタク、普段から金沢動物園でヤギやオオツノヒツジを熱心に観察している、筋金入りの偶蹄類好きです!期待の新人です…!
両生類・爬虫類グループ


このグループは担当飼育員さんが参加者からの質問にその場で全て回答する、世界に一つだけの動物ガイドを実施していただきました。どの種でも何でも質問OK!という大変貴重な機会でした!!
両生類から爬虫類、カメからカエル、ヘビまで!すべての展示種に対応できる飼育員さんの知識量に圧倒されました。
普段はなかなかスポットが当たりにくい生き物たちですが、今回のガイドをきっかけに少しでも興味を持っていただけたなら、企画した甲斐があったと感じます!!



私も時間があればいくらでも質問したかったです。
まとめ





みんな本当によくやってくれました!!非常に優秀な仲間と活動できて幸せです!
今回の企画は、立案から交渉、事前準備、当日の運営まで、学生と動物園の皆様で一からつくり上げたものでした。まだまだ未熟な部分も多く、最後までハラハラする企画ではありましたが、無事に終えることができました。参加してくださった皆様にも、今回のワークショップを楽しんでいただけたなら幸いです。そして何より、企画した私たち自身も楽しみながら参加することができました。
試験期間中やその直後にも、会議や資料作成、作画、事前学習を進め、園との打ち合わせや修正を何度も重ねながら本番を迎えました。遠方から参加するメンバーも多く、前日は早朝から移動して現地入りし、園内の確認や会場設営、当日の流れの確認まで行いました。
実際に運営する側を経験してみると、動物園で一つのイベントを開催するには、来園者への対応だけでなく、動物への配慮や安全面、スタッフ同士の連携など、多くの準備と工夫が必要であることを実感しました。動物園そのものへの理解も以前より深まったように感じます。
一方で、開園前の園内を案内していただいたり、髙橋園長や事業推進部の方と食事をご一緒しながらお話を伺ったりと、普段ではなかなかできない経験もたくさんさせていただきました。自分たちで考えた企画を、動物園の方々と相談しながら実際に形にできたことは、私たちにとって大きな学びになりました。今回参加したメンバーの中には、将来動物園で働きたいと考えている学生もいます。この経験が、それぞれの今後につながる良い糧になればと思います。
最後に、ごかつら池どうぶつパークの事業推進部・飼育員の皆様、そして髙橋園長、本当にありがとうございました。
髙橋園長は、ごかつら池どうぶつパークと福知山市動物園の2園を行き来され、スタッフの皆様も日々お忙しい中で園の運営にあたられています。そのような中、イベント開催の経験もない私たち学生を信じ、何度も打ち合わせの時間をつくってくださり、準備から本番までお付き合いいただきました。私たちに挑戦する機会を与え、一つの企画として形にするチャンスをくださったことに、心から感謝しています。
そして、命と自然の学生基地の皆様も本当にお疲れ様でした!
また開催させていただけるなら、今回の経験をしっかり生かして、もっともっと素晴らしい企画をつくります!









