こんにちは!生きものの語り部です。
このコーナーでは、日本各地の動物園が取り組む活動や、近日実施されるイベントを紹介する『動物園ニュース』を、月2回のペースで配信しています。
ぜひZoology Loreの過去記事や、前回の動物園ニュースもご覧いただければ幸いです。
「飼育員が教える! 動物園が100倍楽しくなるどうぶつ図鑑」今秋発売
動物園を訪れたとき、「この動物は、なぜこんな行動をするのだろう?」と疑問に思ったことはないでしょうか。そんな疑問を、飼育員ならではの視点から楽しめる本が今秋発売されます。
『飼育員が教える! 動物園が100倍楽しくなるどうぶつ図鑑』は、飯田市立動物園の飼育員・すうさんによる図鑑です。出版社はKADOKAWAで、160ページ。現在確認できる書誌情報では、2026年10月26日の発売予定となっています。
動物園の飼育員は、毎日動物のそばで仕事をしています。食事の様子や行動、個体ごとの違いなど、来園者が短時間の観察だけでは気づきにくいことも、日々の飼育を通して見ています。
動物園の展示は、動物そのものを見るだけでも楽しめます。しかし、そこに「なぜ?」という視点が加わると、同じ動物でも見え方が変わってきます。
例えば、動物が寝ているだけに見える時間にも、休息する場所の選び方や、個体による違いがあるかもしれません。食事をしている姿も、単なる「食事風景」ではなく、その動物の体のつくりや生態を知る手がかりになります。
動物園の解説は、来園者と動物をつなぐ大切な役割を持っています。専門的な知識を一方的に伝えるのではなく、「もっと観察してみたい」と思ってもらうことも、その役割の一つでしょう。
本書は、そうした飼育員の視点を家庭でも楽しめる一冊になりそうです。
秋の動物園訪問のお供としても、子どもと一緒に読む図鑑としても注目したい新刊です。

フェニックス自然動物園のリニューアルに向けて、市が民間事業者との対話
宮崎市のフェニックス自然動物園では、大規模なリニューアルに向けた動きが進んでいます。
宮崎市は「宮崎市フェニックス自然動物園のリニューアルに関するサウンディング型市場調査」を開始しました。サウンディング型市場調査とは、事業の検討段階で民間事業者と直接対話し、事業内容や事業手法について意見や提案を聞くための仕組みです。
フェニックス自然動物園は開園から55年を迎え、施設全体の老朽化が顕著になっています。宮崎市はすでに「動物園リニューアル基本計画」を策定しており、動物福祉に配慮した生態環境展示や、来園者の滞在環境の向上などを含めて、園全体を再整備する方向を示しています。
計画では、整備期間15年間、概算事業費約132億円という大規模な事業が想定されています。
一方で、人口減少や物価高騰などを背景に、宮崎市の財政環境は今後さらに厳しくなることが懸念されています。そこで今回の調査では、PPP(公民連携)の仕組みを導入し、民間事業者のノウハウやアイデアを活用することで、整備期間の短縮や事業費の圧縮などを目指しています。
宮崎市は、フェニックス自然動物園について、観光施設であるだけでなく、動物の生態を学ぶ教育の場、日本動物園水族館協会の繁殖計画に参加する施設、大学などとの研究連携を進める場でもあると説明しています。
動物福祉をどう実現するのか。教育・研究・保全という動物園の役割をどう組み込むのか。そして、それを長期的に維持できる施設にどう変えていくのか。
今回のサウンディング型市場調査は、こうした課題について民間事業者から幅広いアイデアを集める段階です。参加申込は10月23日まで、対話は10月30日まで行われ、結果概要は11月頃に公表される予定です。

生き物の語り部、ブロンクス動物園を訪れます
最後に、今回は少しだけ個人的なお知らせをさせてください。「動物園ニュース」という場をお借りして、ZoologyLoreをご紹介するのは、とても気が引けるのですが、今回は例外的に宣伝させてください。
実は、わたくし「生き物の語り部」は、この秋、アメリカの動物園を訪ねる予定です。訪問するのは、シアトルのウッドランドパーク動物園と、ニューヨークのブロンクス動物園です。
きっかけになったのは、川端裕人さんの『動物園にできること――「種の方舟」のゆくえ』です。
1999年に刊行されたこの本では、アメリカの動物園を舞台に、「動物園は何のためにあるのか」「飼育されている動物にとって、より良い環境とは何なのか」という問いが描かれています。
今回の旅では、その本に登場する動物園を実際に訪れ、約30年の時間を隔ててどのように変化したのかを見てみたいと考えています。特に注目しているのが「ランドスケープ・イマージョン」と「アニマルウェルフェア」です。
動物園を「動物を見る場所」としてだけではなく、
景観はどうつくられているのか。
動物はどんな行動をしているのか。
動物自身に選択肢があるのか。
来園者との距離はどう設定されているのか。
何を伝える展示になっているのか。
などの視点から、アメリカのメガ動物園の現状を見てきます。
せっかくアメリカまで行くのですから、日本の動物園について考える材料を持ち帰り、帰国後には、記事という形でお届けしたいと思っています。

まとめ
今回の記事では、2026年9月前半の動物園に関するニュースをお届けしました。
今後も、日本各地の動物園や水族館のイベントや出来事を、ニュースとして紹介していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

