こんにちは!生きものの語り部です。
このコーナーでは、日本各地の動物園が取り組む活動や、近日実施されるイベントを紹介する『動物園ニュース』を、月2回のペースで配信しています。
ぜひZoology Loreの過去記事や、前回の動物園ニュースもご覧いただければ幸いです。
円山動物園×トロント動物園 特別企画「Toronto Zoo Day in Maruyama」 9/20
2026年9月20日、札幌市円山動物園で、カナダのトロント動物園との特別企画「Toronto Zoo Day in Maruyama」が開催されます。トロント動物園から2名の専門家を招き、同園の魅力や活動について学ぶ企画です。
会場は円山動物園のホッキョクグマ館。開催時刻は14時からで、事前の申し込みは不要です。円山動物園は、動物福祉と生物多様性保全に取り組む海外の動物園について学ぶ機会として、この企画を案内しています。
動物福祉とは、動物がどのような状態で生活しているかを重視する考え方です。動物が健康であることに加え、飼育環境の中でどのような行動をとることができるか、どのような経験をしているかといった点も重要になります。
また、生物多様性保全は、野生動物の生息地やそこに暮らす生き物たちを守るための取り組みです。動物園は、飼育下での繁殖や研究、教育活動などを通じて、こうした課題に関わっています。
円山動物園を訪れる方にとっては、普段とは少し違った角度から動物園を知る機会になるでしょう。動物園の仕事は、動物を飼育するだけではなく、知識や経験を共有しながら、よりよい飼育や保全のあり方を探ることでもあるのです。
日程は間近に迫っていますが、周辺地域に在住の方や北海道へ行く予定のある方は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
「世界ゴリラの日」に上野動物園でスマホを回収します
9月24日は「世界ゴリラの日」です。ゴリラの生息地で起きている問題を知り、保全について考える日として、動物園でもさまざまな取り組みが行われています。
上野動物園では、使用済みの携帯電話やスマートフォンなどを回収する取り組みを実施しています。回収の背景にあるのは、電子機器に含まれる希少金属(レアメタル)の採掘と、ゴリラの生息地の問題です。
携帯電話やスマートフォンには、電子部品の材料としてさまざまな金属が使われています。これらの資源を採掘する際には、森林などの自然環境に影響が及ぶことがあり、ゴリラの生息地でも、鉱物資源の採掘による環境への影響が課題となっています。
使用済みの電子機器を回収し、資源として再利用することは、新たな資源を採掘する負荷を減らすことにつながります。上野動物園は、こうしたリサイクルを通じて採掘の負荷を少しでも減らすとともに、ゴリラを取り巻く問題を広く知ってもらうことを目的に、回収ボックスを設置しています。
なお、上野動物園の回収ボックスは、2025年度から常設となっています。設置場所は東園のゴリラ舎第一放飼場前です。回収対象は携帯電話(ガラケー・PHSを含む)、スマートフォン、タブレットで、個人情報を消去してから持ち込む必要があります。バッテリー単体や充電器などは回収対象外です。
世界ゴリラの日をきっかけに、動物園でゴリラを観察するだけでなく、私たちの暮らしと野生動物の生息地がどのようにつながっているのか、考えてみてはいかがでしょうか。

動物園学会の2026年度学術大会「設立記念大会」が開催されます
動物園で行われている活動を、科学的な知見として深め、社会に広く伝えていくためには、飼育員や研究者、教育関係者などが知識を共有し、議論する場が必要ではないか?
長らく日本の動物園業界で論じられてきたテーマに大きな動きです。
2026年11月13日から15日まで、動物園学会の2026年度学術大会「設立記念大会」が開催されます。会場は日本大学湘南キャンパスです。
動物園学会は、動物園に関わる研究・実践・教育・保全をつなぐ新たな学会として設立されました。今回の大会は、その設立を記念するものです。
大会は3日間にわたって行われます。公式案内によると、11月13日にはエクスカーション、14日には基調講演やテーマセッション、ポスター形式の研究発表、15日には学会設立を記念したシンポジウムなどが予定されています。
テーマセッションでは、複数の専門家や参加者が議論し、さまざまな視点から実践や知見を共有する場が設けられます。また、ポスター発表では、動物園・水族館に関わる研究や実践について、幅広く発表を募集しています。
動物園を理解するためには、動物そのものの研究だけでなく、飼育環境や動物福祉、教育活動、保全活動など、多様な視点が必要になります。
例えば、動物の行動を研究することで、飼育環境の改善につながる知見が得られることがあります。野生動物の生態や繁殖についての研究は、希少種の保全を考えるうえで役立ちます。また、動物園での教育活動を研究することは、来園者が動物や自然環境について学ぶ機会を考えることにもつながります。
こうした研究の成果を、動物園の現場でどのように活用するのか。反対に、飼育現場で生まれた疑問や課題を、どのように研究へとつなげていくのか。学術大会は、その両者が出会う機会になります。
動物園学会の設立については、研究者だけでなく、飼育員や学生、市民などが関わることのできる場をつくるという方向性も示されています。動物園をめぐる知識や経験を、特定の専門分野の中だけにとどめず、さまざまな立場の人が共有していくことが目指されています。
動物園を訪れる人にとって、学術大会は少し専門的な催しに感じられるかもしれません。しかし、そこで議論される研究や実践は、動物園で暮らす動物たちの生活や、私たちが動物園から何を学ぶのかという問題にも関係しています。
動物園の活動を支える知識は、飼育現場だけで完結するものではありません。研究と実践をつなぎ、その成果を共有していくことが、これからの動物園のあり方を考えるうえで重要になりそうです。
まとめ
今回の記事では、2026年9月後半の動物園に関するニュースをお届けしました。
今後も、日本各地の動物園や水族館のイベントや出来事を、ニュースとして紹介していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


