動物園ニュース【2026年10月】〔下〕

こんにちは!生きものの語り部です。

このコーナーでは、日本各地の動物園が取り組む活動や、近日実施されるイベントを紹介する『動物園ニュース』を、月2回のペースで配信しています。

ぜひZoology Loreの過去記事や、前回の動物園ニュースもご覧いただければ幸いです。

「日本モンキーセンター」10月19日から長期休園

愛知県犬山市の日本モンキーセンターは、施設整備のため、2026年10月19日から当面の間、動物園全体を休園します。再開園の時期は未定で、数年間を予定しています。

日本モンキーセンターは、公益財団法人日本モンキーセンターが運営する、霊長類を中心とした動物園です。ニホンザルやワオキツネザルをはじめ、さまざまなサル類を飼育・展示し、霊長類の研究や教育普及にも取り組んできました。

今回の休園の背景には、園内施設の老朽化があります。園は、施設の老朽化が保安上、また動物福祉上の深刻な課題になっていると説明しています。建物や設備を新しくするだけでなく、動物たちがより幸せに暮らせる環境を目指すということです。

休園までの営業日にも変更があり、9月1日から10月18日までは土日祝日のみの開園となっています。10月18日が通常営業の最終日となり、10月19日から全園休園に入ります。休園中も、飼育している動物たちは国内外の他園館と連携し、適切な飼育が継続される予定です。

なお、隣接する遊園地「日本モンキーパーク」は別組織が運営しており、今回の動物園の休園とは関係ありません。訪問を予定している方は、施設を取り違えないよう注意が必要です。

動物園の施設整備では、来園者にとっての見やすさや楽しさだけでなく、動物の生活環境や安全性をどう確保するかが重要です。休園期間を経て、日本モンキーセンターがどのような環境を整え、霊長類の魅力や研究成果を伝えていくのかにも注目したいところです。

体験型図鑑アプリ「Earth Saver Quest」、10月17日(土)から導入開始

動物園や水族館で出会った生きものを記録しながら学べる体験型図鑑アプリ「Earth Saver Quest(アースセイバークエスト)」が、2026年10月17日から全国12の動物園・水族館で導入されます。CLASS EARTH株式会社と、株式会社batonのグループ会社である株式会社vildasが共同で開発したアプリです。

アプリの特徴は、実際の施設での生きもの観察と、スマートフォンを使ったデジタル体験を組み合わせていることです。

利用者は、施設内で出会った生きものをスマートフォンで撮影します。AIによる種類判定を通じて、自分だけのデジタル図鑑に登録できる仕組みです。登録した生きものについてクイズに挑戦したり、施設ごとに用意されたミッションをクリアしたりすることもできます。クイズの制作には、知識を楽しく伝える活動で知られるQuizKnockが参加しています。

今回の導入にあわせて、保存済みの写真から生きものを読み取る機能、絶滅のおそれがある生きものに関する表示、写真ごとに観察メモを残す機能なども用意されています。訪問中に見つけた生きものを記録し、帰宅後に写真やメモを振り返ることもできます。ただし、すべての生きものにクイズが用意されているわけではありません。

10月17日からの導入施設は、次の12施設です。

  • 動物園: 札幌市円山動物園、東武動物公園、長野市茶臼山動物園、富士サファリパーク、浜松市動物園、鞍ケ池公園動物園、八ちゃん堂大牟田市動物園、熊本市動植物園
  • 水族館: 栃木県なかがわ水遊園、カワスイ 川崎水族館、名古屋港水族館、マリンワールド海の中道

利用方法や施設ごとの案内は、各施設およびアプリの公式ページで確認できます。例えば、札幌市円山動物園では、園内の二次元コードからチェックインし、動物の撮影やクイズ、ミッションに取り組めるようになっています。同園の案内では、アプリの利用料金は無料ですが、別途入園料と通信料が必要とされています。

動物園・水族館には、実際の生きものを観察できるという、図鑑や映像だけでは得にくい学びがあります。そこに写真の記録やクイズを組み合わせることで、来園者が自分で発見したことを振り返り、知識を深めるきっかけが生まれます。

もちろん、アプリで種類を判定すること自体が学びのゴールではありません。目の前の動物の行動を観察し、なぜそのような行動をするのか、どのような環境で暮らしているのかを考えることも大切です。デジタル技術が、実物をじっくり見る楽しさを支える道具として活用されることに期待したいと思います。

「動物園・水族館ブランディングデザインセミナー」第3弾、11月22日に千葉市動物公園で開催

株式会社MOLTONとNagaoka Design Office(NDO)が共催する「動物園・水族館ブランディングデザインセミナー」の第3弾が、2026年11月22日(日)に千葉市動物公園で開催されます。

このセミナーは、ブランディングデザインの視点から、動物園・水族館が持つ魅力や価値をどのように整理し、社会に伝えていくかを考える取り組みです。

主催するMOLTONは、動物福祉に配慮した飼育環境や展示演出などを手がける企業です。一方、Nagaoka Design Officeは、企業などのブランディングデザインに取り組んでいます。異なる専門性を持つ両者が協力し、動物園・水族館の将来や社会的な意義について考える場を設けています。

第1回では、足立区生物園を題材に、施設が大切にしている考え方や、展示・解説・体験プログラムを通じた魅力の伝え方などが取り上げられました。第2回では、盛岡市動物公園ZOOMOの事例をもとに、リニューアル後のブランドづくりや、施設の理念を職員に浸透させることの重要性などが話し合われています。

第2回の開催報告では、ブランディングを「ロゴやグッズ、SNSのデザインを整えること」として捉えるのではなく、施設がどのような方向を目指し、職員一人ひとりがどのように判断するかという、組織の内側の課題にも目を向けていました。また、参加者がそれぞれの組織の課題と強みを書き出し、グループで解決の方向性を考えるワークショップも実施されています。

今回の第3回では、千葉市動物公園の鏑木一誠園長をゲストに迎えることが、主催者から発表されています。ただし、開催内容の詳細については、主催者の案内では決まり次第告知するとされています。開催時間、参加費、申込方法などは、最新の公式案内で確認する必要があります。

動物園の価値は、来園者数や施設の規模だけで決まるものではありません。希少種の保全、動物福祉、調査研究、環境教育など、施設ごとに大切にしている役割があります。しかし、こうした取り組みが実際に行われていても、その意義が来園者や地域社会に十分に伝わっていなければ、動物園への理解や支援につながりにくいこともあります。

ブランディングは、施設を華やかに見せるためだけのものではなく、自分たちが何を大切にし、社会にどのような価値を提供するのかを明確にする取り組みでもあります。動物園・水族館がそれぞれの特色を見つめ直し、飼育や教育、研究といった日々の活動を一貫したメッセージとして伝えることは、施設の持続的な運営を考えるうえでも重要なテーマです。

第3回のセミナーが、動物園の魅力を伝える方法だけでなく、その魅力を支える組織や理念についても考える機会になることを期待します。

まとめ

今回の記事では、2026年10月後半の動物園に関するニュースをお届けしました。
今後も、日本各地の動物園や水族館のイベントや出来事を、ニュースとして紹介していきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

2025年から、当ブログを運営。動物園専門のメディアを目指しています。