カラカルの繁殖事例|2015年にOregon Zooで生まれた2頭の赤ちゃん

国内で確認できるカラカルの繁殖に関する情報は数件と少なく、公開されている情報も限られています。そのため、今回は海外の動物園に情報を求め、Oregon Zooで2015年に確認されたカラカルの繁殖事例を紹介します。

本記事の掲載にあたり、Oregon ZooのDirector of CommunicationsであるHova Najarianさんより、同園の記事内容の紹介について許可をいただきました。Hovaさん、ご対応いただきありがとうございました。

Thank you very much, Hova Najarian, for kindly allowing us to introduce this Oregon Zoo article.

2015年当時の事例です。2026年現在、Oregon Zooでのカラカル展示は終了しています。

Oregon Zooでカラカルの赤ちゃん2頭が誕生

2015年9月、Oregon Zooでカラカルの赤ちゃん2頭が誕生しました。

母親は、同園の「Predators of the Serengeti」エリアで暮らしていたカラカルのペギーです。ペギーは9月11日に、オス1頭とメス1頭の赤ちゃんを出産しました。

同園によると、ペギーと2頭の赤ちゃんはバックヤードで順調に過ごしており、赤ちゃんたちは定期的に授乳し、巣箱の中で動き始めていたとのことです。

生まれたばかりのカラカルの耳

カラカルは、黒い房毛のある大きな耳が特徴的な動物です。この耳は、獲物の位置を探るのに役立つとされています。

しかし、すべてのネコ科動物と同じように、生まれたばかりのカラカルは目を閉じており、耳も折りたたまれています。

生後2週間の健診では、メスの赤ちゃんの耳はすでに立ち上がっていました。一方で、オスの赤ちゃんの耳はまだ頭にぴったりと伏せたままだったそうです。

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母親ペギーの子育て

Oregon Zooの飼育担当者は、ペギーがとてもよい母親であり、赤ちゃんたちをしっかり守ろうとしていたと話しています。

「ペギーは素晴らしい母親です。とても子どもを守ろうとします。寝床として巣箱にたくさんのわらを入れたところ、ペギーは子どもたちをそのわらで覆って隠していました。野生のネコ科動物は、どの種でも捕食者から子どもを守るために、同じように子どもを隠します」

このような行動からも、ペギーが赤ちゃんたちを守りながら育てていたことが伝わります。

父親のクリケットと繁殖ペア

赤ちゃんたちの父親は、クリケットというオスのカラカルです。

クリケットは南アフリカのLory Park Zoo and Owl Sanctuaryで生まれ、2011年冬にOregon Zooへ移動しました。母親のペギーは、2009年にアーカンソー州メナの保全センターからOregon Zooへ来ました。

Oregon Zooによると、Association of Zoos and Aquariumsは、クリケットとペギーが同じ亜種であることから、繁殖ペアとして推薦していました。

Oregon Zooでのカラカルの展示環境

Oregon Zooのカラカル展示は、「Predators of the Serengeti」展示の一部として整備されていました。

この展示環境は、地域の人々やPortland General Electricのような団体からの支援を受けて作られたものです。

カラカルたちは、加温された巣穴を利用でき、展示場内には木、低木、加温された岩、草の茂った小丘が配置されていました。これらは、ネコ科動物にとって刺激や行動の選択肢を増やす環境づくりにもつながるものです。

2026年現在、Oregon Zooでのカラカル展示は終了しています。

野生のカラカル

カラカルは、北アフリカ、南西アジア、アラビア半島の森林地帯やサバンナに生息しています。

カラカルは国際自然保護連合により「least concern」に分類されていますが、狩猟や生息地の喪失は、野生個体群にとってリスクになるとされています。

カラカルはペット向きの動物ではない

Oregon Zooの記事では、かわいい動物であっても、すべての動物がペットに向いているわけではないことにも触れられています。

カラカルは体重が最大57ポンド(約26kg)に達することがあり、インパラを倒す能力もあります。また、飼育には複雑な管理が必要であり、AZA認定動物園のように、専門的な訓練を受けた人がいる、認可を受けた適切な施設でなければ、その必要を満たすことはできないとされています。

エキゾチックアニマルの所有に関する法律は州によって異なります。Oregon Zooの記事では、動物を迎える前に、その種について事前に調べることの重要性も示されています。

海外事例から見えること

今回紹介したOregon Zooの事例は、2015年当時のカラカルの繁殖事例です。

国内ではカラカルの繁殖に関する公開情報が少なく、具体的な飼育下繁殖の経緯を知ることは簡単ではありません。そのため、海外の動物園で公開されている事例は、カラカルという動物を知るうえで貴重な情報のひとつになります。

Oregon Zooの事例からは、母親による子育ての様子、赤ちゃんの成長過程、繁殖ペアとしての管理、そして展示環境の考え方を知ることができます。

カラカルの魅力だけでなく、飼育や繁殖には専門的な知識と環境が必要であることも、あわせて伝えていきたい内容です。

Oregon Zooについて

Oregon Zooは、アメリカ・オレゴン州ポートランドのWashington Park内にある動物園です。64エーカーの森林に囲まれた敷地に位置し、野生動物の魅力を地域社会へ伝えながら、保全、教育、動物福祉に取り組んでいます。

同園は「Together for Wildlife」を掲げ、動物たちの適切なケアだけでなく、科学、保全、教育を通じて、野生動物の未来につながる活動を行っています。飼育されている動物は165の種および亜種とされています。

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この記事を書いた人

Zinのアバター Zin 編集スタッフ

動物が大好きで、これまでに保護猫活動にも取り組んできました。そこから動物園で暮らす動物たちの飼育環境にも関心を持つようになり、本プロジェクトを立ち上げました。
本業ではディレクター・プロデューサーとして映像や企画の仕事に携わっています。
推し動物は、ちょっと不機嫌そうな顔がたまらない「ヤブイヌ」です。