ゾウ遣いに聞いてみよう!質問公募

沢山のご質問ありがとうございます!!
我々も今ある知識で精一杯お答えさせて頂きます。ただ僕らもまだまだ駆け出しで修行中の身なので1人前の象使いとは言えません。
その点をご了承頂いた上で温かくご清聴頂けたらなと思います。よろしくお願い致します。

目次

Q.ゾウ使いになりたいと思ったきっかけは?

A.幼少期からゾウが好きで映画「星になった少年」でゾウ使いの存在を知り、とても感化されたからです!

Q.どうやってゾウ使いになりましたか?

A.数回に渡りタイに留学へ行き、ゾウの保護施設等で修行をさせて頂きました。もちろんまだまだ勉強中なので1人前とは言えませんが…

A.今一緒に活動している方のSNSを見つけ、ダメ元で連絡を取った所お返事が来て、「一緒にやりましょう」と言ってもらい、拾ってもらいました。

Q.日本ではゾウヘルペスウイルスでなくなる個体がいないが現地で子象が亡くなる原因は?また予防策は?

A.まず前提としてゾウヘルペスウイルスが発症し亡くなるのは免疫力が安定していない子象が多いです。そもそも日本では子象がいない(少ない)ことからヘルペスウイルスに掛かり発症しやすい個体が少ないと考えられます。
予防策はワクチン等が無い為、大きなものはありませんが免疫力を上げるためにおやつにビタミン剤を混ぜてあげている施設もあるそうです。
治療は症状が出てからでは間に合わないケースが多い進行が早い病気です

Q.ゾウで通勤している人はいますか?

A.ゾウ使いは基本パートナーのゾウに乗って出勤します。お客さんのもとへ連れていくときなどゾウに乗ったりします。車など乗り物が復旧している現代ではゾウ使い以外はゾウに乗って出勤する人はほとんどいないと思います。

Q.象使いという活動・職業はゾウの将来にどのような影響を与えられると思いますか?

A.まずゾウの移動、出産、育児、治療、喧嘩時など様々な場面で活躍できます。

また新しい場所での生活を始める時に同じゾウ使いがいればゾウが安心する事もあり、ゾウに人との暮らしのルールを教える事で、散歩をしたり川で水浴びをしたりと飼育下のゾウの行動範囲を広げる事が可能になります。

大きく言えばゾウと人間が共存する為のキーパーソンとして絶滅の危機や保護活動にも力を入れれると思います。

Q.タイでのゾウの飼育環境はいいと思いますか?

A.いいと思います。

ゾウが幸せに暮らす為にはゾウのことを理解している施設と担当者に出会う事が1番だと思います。ゾウとの暮らしの歴史が長いタイではゾウの事を理解している人も沢山いますし、ゾウ専門の獣医さんもいるぐらいです。

ただ今は施設によってかなり飼育方法が違うのと動物福祉の観点から飼育環境が悪いという人も増えてきているので1つ括りにいいとはハッキリは言えません。

Q.日本ではゾウは動物園における一展示種という存在です。タイでは、ゾウと人との関係はどのようなものですか?

A.場所や人によっても変わってきますが、象使いからすればパートナーであり家族でもある。象使いではない人からすれば国を代表する神聖な動物や身近な動物だと思います。

自分の家にゾウが居たり、親族にゾウを飼っている人が居たり、普通に道をゾウが歩いていたりと日本で言う犬と同じぐらいタイでは身近な存在です。

Q.象使いという職業、業界が抱えている問題点は何ですか?逆に昔と比べて良くなっている点はありますか?

A.象使いとして働く場所が減っていたり、そもそもお給料が8000〜15000バーツほど(だいたい4万〜7万5千円くらい)と少ないことや、あまり理解してもらえない職業だと言うこと。ほかにも動物福祉の観点からゾウを虐待しているなどと勘違いされ、虐待している対象物として調教棒などの道具が使いにくくなり、ゾウも言う事を聞かなくなったり、象使い自身が危ない目にあったりする事もあります。つまり無くされそうで無くしてはいけない職業だと思います。

良くなっていることは昔のように1日中重労働をさせるような事が無くなってきていること。
今はゾウのありのままの姿をお客さんに見せる施設やゾウも楽しくお仕事できるプログラムが普及してきています。
例えばゾウの背中にゴンドラをつけないようにするなど、昔のゾウライドのようなものよりは自然に近い状態でできる仕事が増えてきたと思います。

Q.ゾウを飼育する上で大事な事はなんですか?

A.それは何よりもゾウも愛する事ですね!また時には恐れる事も大事です。

ゾウは基本的には優しく穏やかな動物ですが、時には恐ろしい一面もあります。ゾウを恐れる事により注意深くなり、不慮の事故に繋がりにくくなる事もあります。

もちろん心構えも必要ですし、それに加えてゾウの心の健康、ゾウとゾウ使いの安全面、きちんとした技術と知識を身につける事、またその“個体”に合った環境を整えてあげることも必要です。

Q.保護的接触と直接接触はどのように使い分けていますか?

A.基本的に保護的接触を行うのはゾウ使いが近づけないと判断した時です。

オスゾウの発情期、パニック状態、新しいゾウの担当、もしくは担当が違うゾウのお世話をする時など、事故に繋がる事もあるので近づく時は大人数行うのが鉄則です。

また赤ちゃんが産まれた時は人里離れた山に母親と付き添いのゾウと一緒に隔離して、お客さんと触れ合わないように最低限の人としか接しないようにする事もあります。

“ゾウ遣いの”直接飼育と準間接飼育のメリットデメリット

準間接飼育
メリット
・ゾウと飼育員の安全両方ともが確保されている

デメリット
・ゾウ舎内のみでしか飼育できない
・ゾウ舎の建設費用が高い

直接飼育
メリット
・飼育エリア(獣舎)の外に連れ出して運動させることなどが可能
・ゾウ舎がシンプルで建造が容易

デメリット
・事故などの危険性がある

Q.タイではゾウ使いに対してどのような保護制度がありますか?ここ20年位で動物愛護の機運が高まった事に関連してゾウ使いの業にはどのような変化がありましたか?

A.保護制度にしてはハッキリはわかりません。
ただゾウを飼育するに当たって色んな方の支援がある事は確かです。例えば農家さんからゾウの餌にどうぞと食べ物を頂いたり、お客さんからも寄付をいただいたりと沢山の方に支えられています。これらの支援があってこそ、ゾウの飼育ができるのかなとも感じます。あとはSNS等を駆使してゾウ使いやゾウの事を知ってもらう事も今は主流になってきています。

またほかにも、動物愛護に機運が高まった事に関しては道具が使いににくくなった事が大きいです。ゾウ使いに必要な道具を虐待の道具と敵視される事が多くなり思うように道具が使えない為、ゾウ使いの安全面が脅かされたり、ゾウ自身がワガママになったりしてくることもあります。

Q.今まで1番驚いた知能や心理と怖かった事は?

A.驚いた事は記憶力が高く一度印象に残った人や物は忘れない事や鏡で自分を認識ができる事ですかね。

怖かった事は担当のゾウがいつもと違う行動をした時です。そんな時はやはり焦って色々考えてしまうので怖くなりますね。
走った時、大声で鳴いたとき、威嚇したとき…いろんなことがあります。ほかにも犬にビックリしてゾウが全員で鳴いた事もありました。

Q.血統管理は誰がどうやっていますか?
ゾウに対してどういう気持ちで日々接していますか?

A.血統管理に関しては専門外なので一概にお答えはできません。

日々ゾウたちに思う事はやはり感謝ですね。「いつもありがとう」という気持ちは常にあります。また逆にこちらの事を見透かしているので「嘘がつけない」という事もありますかね笑

Q.どうやってゾウと信頼関係を築いていますか?

A.まずはゾウの身の回りのお世話から始まり、出来るだけ好きな事をさせてあげることですね。バナナやサトウキビ、時には黒糖なんかの好物をあげる、水浴びや泥浴びをさせる、散歩させるなど。ゾウが一緒に居て楽しいと思ってもらえるように日々行動しています。

Q.ゾウヘルペスから回復、存命するゾウは何頭くらいいますか?ランパーンの施設にいるオスゾウのᎢノイを探しています。このゾウの近況を知りたいです。

A.ゾウヘルペスに掛かって症状を発症しているゾウを全て把握している訳ではないのでお答えはできないです。

ランパーンの施設にいるゾウは名前は「コムセン」今もランパーンにいるようです。近況はわかりませんが4年前まではショーにも出ていたようです。また、このランパーンの施設には今でも100頭程度のゾウがいるのでもしかしたらまだいるかもしれませんね

Q.日本の動物園で飼育されているゾウは、足の疾患を患い、結果的に命を落とすケースが多く見受けられます。タイでの、人間の管理下のゾウの寿命は平均何歳ぐらいでしょうか?

A.タイのゾウ達は腸炎などの腹痛症状や感染症で亡くなる個体が多いと思います。
ゾウの平均年齢に関しては一概にこれぐらいというのが定かではありません。個体によっては長生きしたりはやくに亡くなったりと人間と変わらないと思います。ただタイでは80歳のゾウも全然いますよ!

Q.ゾウ使いになる為には公式の資格のようなものは必要なのでしょうか?またゾウ使いの給料は一般会社員と比べてどうでしょうか?人気の職業ですか?

A.まず公式の資格などは必要ありません。

給料に関してはとても低いです。だいたい8000〜15000バーツほど(だいたい4万〜7万5千円くらい)で、問題視されている1つでもあると思います。

人気の職業かで言えば、どうしてもなりたいというような人はもちろんいます。しかし、本当に心からゾウを愛しゾウの為に尽くせる人でないと難しいと思います。また毎日命懸けなので覚悟も必要ですね。

Q.タイの飼育下のゾウ達は繁殖個体が多いですか?野生由来が多いですか?

A.今は繁殖個体が多いです。

昔はゾウ狩りという野生から捕まえてくる事がありましたが、今は時代の変化ともに行われていないそうです。ごく希に野生から保護された個体もいますが、かなり珍しいと思います。

Q.エレファントホームではゾウの繁殖は行われていますか?また、ゾウに乗るためにはどのような調教をすれば乗れるようになりますか?

映画などにも出演したオスゾウのダンボ

A.エレファントホームでも繁殖を行っています。現在施設には3頭のオスゾウが居ます。また近くの保護施設からレンタルをする事もあります。
ゾウに乗る為にはまず初めに人と暮らす為のルールをゾウに覚えてもらいます。例えば、止まる・下がるなどの基本的な指示をはじめ、人や動物に攻撃しない、また車道を歩く場合もあるので車やバイクに慣れるなどです。そこからゾウに乗る為の動作を教えていき最後に第三者が乗ってもビックリしないようにしていきます。

Q.この施設のゾウは全て飼育下で繁殖をした個体ですか?また森林等に放す時間はありますか?

A.全て飼育下で繁殖された個体です。

慣れているゾウ達はお昼休憩の時に1時間程、山の中を自由に歩かせます。泥浴びや水浴びをする子、一心不乱に草を食べる子、お散歩しながら草を食べて谷を降りたり山を越えたりする子、お客さんとたわむれに来る子…各々好きなことをします。またゾウ使いによっては気分転換としてお昼以外にもお散歩等に連れて行く人もいます。

Q.天王寺動物園にマレーシアゾウがやってきて返還運動が盛んになっていますが、域外保全の是非や国民のアイデンティティとして野生動物が大事にされている背景を踏まえて、どのような考えをお持ちですか?

A.まず異国でゾウを飼育する事に反対はしません。

実際にマレーシアの施設を拝見した訳ではないので、施設については何とも言えませんが、大事な事はゾウの生態を正しく学び認識しゾウがゾウらしく暮らせる環境は必要だと思います。
またゾウを1つ括りにするのではなく、個体の特徴を見てその個体に合った環境を用意してあげるのがとても大事です。

Q.ゾウ使いの目線から見て、準間接飼育や小規模な群れでの飼育は心身の健康や飼育員の業務に要する苦労の観点からどのように評価していますか?

A.直接飼育が難しいゾウは、飼育員の安全面を考えて準間接飼育に移行する事はいいと思います。

ただ、原産国でゾウ使いに育てられたゾウ達は、できるだけ直接飼育をしてあげるのがいいと思います。

Q.タイエレファントホームであれば、生息環境に非常に近い存在で飼育できると思いますが、削蹄や採血、ハズバンダリートレーニングは行いますか?

A.基本的には行いません。トレーニングを行うのは新しい動作を教える時や日々のコミュニケーションを取るときなどがほとんどです。ただ年に2度程度、健康診断のような物があります。獣医師が来てくれて、採血なども行い診察します。

近々チェンマイにゾウの病院ができるので少し楽になりますね!

Q.ゾウの飼育をしていて危ない経験をした事はありますか?またそのような事を防ぐ対策や改善策などはありますか?

A.もちろんあります。
例えどれだけ信頼関係を築いていても油断は禁物です。

ゾウに仲間として認めてもらうには時間が掛かります。
担当のゾウの事を理解しようと努めること、よく観察し長い時間を一緒に過ごす事。
怒るときは怒り、それ以上の愛を注ぐ事が大事です。

まとめ

ゾウも、象使いも、世間的に大きく勘違いされている事が多いかと思います。私たちは読んで頂いた方を中心に、多くの方に本当の事を知って欲しいと思っています。

お答えできない質問もあり申し訳ございません。
私たちはまだゾウの世界に足を踏み入れたばかりなので未熟な考えです。
追加で質問などありましたらまた送っていただきたいと思います。

協力

↓タイエレファントホームボランティアの皆様

https://www.instagram.com/thai_elephant_home_jp

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